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若い日本人演奏家たちのコンサート

 六本木の「オフィス設計」という見晴らしのよいガラス張りの34階のホールで、週末に日本人の新人を中心としたクラシックコンサートが行われている。

 昨日は、以前から何度も一緒に仕事をしたピアニストの新居由佳梨が昼と夜の二回、コンサートを開くので、聴きに行った。(新居さんはたぶん30歳前後。ついでにいうと、私の知る限り、日本一の美人ピアニストだ!)

 昼間の前半は、新居さんが得意とするプーランクとスクリャービンのピアノ・ソナタ第2番、後半はモーツァルトの「キラキラ星変奏曲」とショパンの「英雄ポロネーズ」を中心とするプログラム。前半は珍しい曲、後半はポピュラーな曲という配慮。新居さんらしい、一つ一つの音が清潔で高貴。ただ、残念ながら、ほとんどが私の苦手な曲なので、感動するには至らなかった。ただ、ショパンも悪くない・・とほとんど初めて思った。そして、新居さんのしゃべりのうまさに驚いた!

 夜はすべてベートーヴェンで、前半が「悲愴」と「月光」、後半がヴァイオリンの江島有希子さんが加わっての「クロイツェル」。

 夜のほうは文句なしに素晴らしかった! 

「悲愴」と「月光」は、やはり日本人女性の作る音楽だと思った。繊細で美しい。ベートーヴェンらしい荒々しさがない。本人としては荒々しく演奏しているつもりかもしれないが、ヨーロッパのいかつい男の暴力性に比べたら、まさしく華奢。だが、そうでありながら、しっかりとした構成感とダイナミズムを表現して、しっかりと自分のベートーヴェンにしている。無理に欧米の音楽を真似るのでなく、自分の表現になっている。これでこそ、音楽が本当に生きてくる。新居さんのアプローチがよくわかった。

 そして、「クロイツェル」。最初から最後まで緊張感に溢れ、みずみずしい息吹の感じられる見事な演奏だった。ヴァイオリンの江島さんも、凛とした音楽の造りが、新居さんのピアノと合っている。まさしく、どこに出しても恥ずかしくない演奏! 第三楽章はとりわけ感動的だった。

 日本の若い演奏家たちの実力たるや凄まじい! 頼もしい限りだ。そして、数年前から付き合いのある新居さんが、どんどんと音楽性を豊かにしているのが嬉しい。そのうち、私など手のとどかない存在になってしまうだろう。是非、そうなってほしいものだ。

 

 オフィス設計のコンサートは二度目だったが、粋な企画だと思った。伸び盛りの若い演奏家たちを応援するのも、巨匠を聞くのと同じほど楽しい。また、聴きに行きたいものだ。

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