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新国立劇場『ラインの黄金』で大きな感動は得られなかった

 昨晩、執筆でかんづめになっているホテルを抜け出して、新国立劇場『ラインの黄金』を見てきた。手短かに感想を書く。

 8年ぶりの再演だが、実は前回、見ていない。その時期のスケジュールがなかなか決まらず、やっと決まってチケットを買おうとしたら完売だった。臍を噛む思いだったのを覚えている。

 全体として、かなりのレベルの上演だと思う。日本の新国立劇場でこれだけのレベルの『リング』が見られるようになったことに、感謝。世界の一流のオペラ座に決して劣らないと思う。

 歌手で言えば、アルベリヒ役のユルゲン・リンとフリッカ役のエレナ・ツィトコーワ、エルダ役のシモーネ・シュレーダーがすばらしい。

肝心のヴォータン役のユッカ・ラジライネンは後半、特に不安定だった。これが実力なのか、単に不調だったのか。ローゲを歌ったトーマス・ズンネガルドも悪いとは言わないが、精彩を欠いた。

 いつもどおり、日本人が脇を固めているが、海外の主役たちと比べて、ほとんどの歌手が遜色ない。とりわけミーメを歌った高橋淳がいい。私は、ヴォータンやローゲよりも安心して聴けた。少なくとも、初めて出現した日本人ミーメ歌いだと思った。

 フライア(蔵野蘭子)、三人のラインの乙女(平井香織、池田香織、大林智子)と二人の巨人(長谷川顕、妻屋秀和)も見事。

 キース・ウォーナーの演出も面白い。みんなが語っているので、演出については私は付け加えない。

 ただ、実を言うと、残念ながら、期待ほどの大きな感動は覚えなかった。ずっと原稿を書いていて疲れきっていたせいではあるまい。

 ダン・エッティンガーの指揮と東フィルが、やはり弱い。バイロイトやベルリンと比較するつもりはないが、これだけの演出、歌手陣だと、どうしても指揮やオケももっと高いレベルを期待してしまう。

エッティンガーはこれまでも何度か新国立で聴いて、将来性のあるいい指揮者だとは知っている。第九のCDも悪くない。が、まだワーグナーの大きなうねりや力感を描くことができずにいる。

  朝起きて、目を覚ますつもりでこれを書いたが、こんなものを書いている場合ではない。本来の原稿を書き続けなければ・・・

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受信: 2009年3月19日 (木) 22時44分

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