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フルトヴェングラーの新発見の第九を聴いた!

 しばらく原稿執筆に専念していたが、今日、DREAMLIFE社から発売になった1953年5月30日の演奏とされるフルトヴェングラー指揮、ウィーン・フィルによる「第九」を聴いた。昨年発売された1951年のバイロイト音楽祭の演奏に続く、新発見の録音だ。

 私はベートーヴェンの第九だけで220枚を超えるCDを持っている。「220枚を超える」という曖昧な言い方をするのは、正確な数字を数えていないからだ。間違って二重買いしたものや、単独で買って、後に交響曲全集を買ったものもある。だから、正確な枚数を言うには、きちんと数える必要がある。だが、時間がない。そこで曖昧な言い方をしている。もしかしたら、230枚を越しているかもしれない。

 そして、その中でベスト1からベスト4くらいまでを独占するのが、フルトヴェングラーだ。フルトヴェングラーは、演奏するたびに少しずつ雰囲気が異なる。そして、どれも魂をグイとつかまれて感動の極に達する。フルトヴェングラーが亡くなって、もう50年以上がたっているが、私もまた、フルトヴェングラーが古今東西最高の指揮者とみなす一人だ。

 私は周囲からはクールで冷静な人間と思われているが、こと音楽に関しては感激屋であり、特にフルトヴェングラーとなると、我を忘れてしまう。

 これまでのフルトヴェングラーの第九の名演は3つのパターンに区別できると私は思っている。

①1943年3月2224日のBPOによる凄絶でド迫力の演奏。呪いと怒りと祈りと喜びを絶頂にまで表現したドラマティックで凄まじい演奏。

51年のバイロイト音楽祭(EMI)のような拡散的でデュオニュソス的な演奏。深くて壮大だが、ルツェルン盤よりも外面的で祝祭的。最後の白熱、燃焼は圧倒的。

51年のバイロイト音楽祭(新発見 Orfeo)やルツェルン音楽祭のような壮大でありながらも一途で深い演奏。私はこの二つの録音から一心不乱という感じを受ける。

 今回発売された録音は、このいずれとも異なる。敢えて言えば、②と③の中間のような演奏だ。バイロイト新発見やルツェルンと同じように内向的で深く、緊張感に溢れているが、一途な感じはしない。もっと広がりを持っている。

 第1楽章を聴き始めた時、それほどの演奏ではないと思った。が、5分を過ぎたあたりから、ぐいぐいと引かれていった。そして、第2楽章の素晴らしさ! フルトヴェングラーの演奏はいずれも第2楽章が素晴らしいが、これが最高ではないかと思う(ただし、きちんと聴き比べたわけではない)。第3楽章は、ほかの演奏のほうが感動的だったように思う。

 第4楽章は残念ながら、とりわけ合唱部分にテープの劣化によると思われる音の揺れがある。最終部の盛り上がりが、バイロイトEMI盤に匹敵するほどの凄まじさであるだけに、音の悪さが惜しまれる。

 いずれにせよ、素晴らしい演奏だ。これが私の第九コレクションの中のどのくらいに位置するかはもう少し聴き込む必要があるが、ともあれ感動的な演奏であることは間違いない。

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