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初めてのグルメ情報

 こう見えても、私は味にうるさい。

「グルメ」と言えるほど高級レストランに出入りするわけではないが、おいしいお店には目がない。これまでこのブログには、食について一切書いてこなかったが、このところ立て続けにおもしろい店に入ったので、紹介する。

 まずは私の贔屓の店。

 「美濃吉」新阪急ホテル店だ。京都駅の目の前、京都タワーのすぐ横の新阪急ホテルの地下一階にある。美濃吉は京料理の老舗だ。東京にも支店がいくつかある。が、私の知る限り新阪急ホテルの店が一番だ。

 ほとんどいつも一人で店に入るので、最も安価な「鴨川」の会席コースをいただく。白味噌仕立が絶品! 季節感いっぱいの京野菜の料理もいつも最高。京都駅付近のホテルやデパートに入っている有名店にも行ってみたし、出版社の接待で有名料理店に行くこともあるが、この店以上においしいものを出してくれるところはほとんどない。

 琴の独奏に編曲されたバッハの音楽がしばしばかかっているが、まさにバッハにも似た微妙で深くしっかりとした味付けだ。時に感動的にうまい。

 私は京都産業大学の客員教授を勤めているが、この店に行くのが楽しみで、京都に通っている。

 もう一軒は、味よりも不思議な雰囲気が魅力の店。新宿の白龍館。西新宿6丁目のアイタウンプラザにある。しばらく前から親交のある東京シティフィルのフルート奏者である海冶陽一氏に連れて行ってもらった。

 モーツァルトの「魔笛」をイメージしたという不思議な内装。ガウディ風の装飾による大蛇や夜の女王の住処のような山の装飾も目立つ。ドイツ料理かスペイン料理でも出てきそうだが、中華の店だという。ただし、刺身やマグロ丼やうに・いくら丼も出てくる。トマトたんめんが名物料理らしい。味のほどは、絶品といわないが、悪くない。ともかく安い! 2000円のコースでたっぷりと食べられる。

 

 この店が何よりも目を引くのは、入り口にあるグランドピアノ。

 私が寄った晩は、ギターとピアノのジャズコンサートが行われていたが、何よりおもしろいのは、その合間に、客が思い思いにソプラノのアリアを歌ったり、マスターが自らモーツァルトのピアノソナタを弾いたりすること。ついには、私の連れの海冶さんがバッハのフルートソナタを吹き出し、マスターがお嬢さんのピアノ伴奏で「カタリ」を歌い始めたり・・・。それが少しもうるさくなく、すべてを許容できる雰囲気が、客にも店にもできている。それでいて、みんなが常連客というわけではないらしい。

 まさしく、何が何だか、わけのわからない不思議な空間!

 マスターのピアノは決して上手ではない。だが、実に楽しそうに、音楽を味わいながら弾く。これが音楽の本来のあり方なんだ!と強く感じる。まさしく、誰もが思い思いに自己表現する場。マスターの漂うようで明るくて自由な雰囲気がなんともいい。

 待ち合わせに待ち人が現れなかったために残念な気持ちで出かけた店だったが、楽しい気分で帰ることができた。

 と書きつつ、「そんなことをしている場合ではないだろう! 締め切り直前の原稿が山のようにあるぞ、それを片付けろ」という声がどこからか聞こえてくる・・・

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