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最近、気に入ったCD

 一体どうしたことか。中学生のころから、一貫してベートーヴェン、ブルックナー、ブラームス、リヒャルト・シュトラウス、ワーグナーばかりを聴いていた私が、ラ・フォル・ジュルネ以来、バロックを中心に聴いている。

 そんなわけで、ここ数ヶ月の間、聴いてきたCDのうち、印象に残ったものというと、バロック音楽が多くなる。それらを紹介しよう。

792

・カントゥス・ケルン、ユンクヘーネル指揮のバッハの「ミサ・ブレヴィス」集(BWV233,234,235,236 ハルモニア・ムンディ)。 私のこのブログにコメントを寄せてくれた「ミサ・ブレヴィス」さんに教えてもらったCD。ほんとうに素晴らしい。祈りの心が溢れている。歌手陣も見事。私の愛聴盤になった。

・カルロス・メナのカウンターテナー、フィリップ・ピエルロ指揮、リチェルカール・コンソートによるヴィヴァルディの「スターバト・マーテル」など(ミラール)。同じメンバーによるペルゴレージの「スターバト・マーテル」は最高の名盤だが、それに匹敵する。バロックを専門的に聴いてこなかった私は、恥ずかしながらヴィヴァルディが「スターバト・マーテル」を作曲していることさえ知らなかった。いかにもヴィヴァルディらしいメロディが聞こえるが、それでもしっとりした味わいがある。

007 ・「ポーランド女王陛下の墓」と題された、フィリップ・ピエルロ指揮、リチェルカール・コンソート、カルロス・メナやキャスリン・フグの歌によるバッハの宗教音楽集(ミラール)。この組み合わせによる演奏はいずれも圧倒的に素晴らしい。これを聴いたら、レオンハルトもアーノンクールも鈴木雅明もヘレヴェッヘも物足りなくなった。

(ピエルロ指揮のリチェルカール・コンソートの演奏はかなり聴いた。ブクステフーデのカンタータ集もおもしろかった。)

・パヴェル・シュポルツルのヴァイオリン、プラハ・フィルによるヴィヴァルディの「四季」(スプラフォン)。指揮者の記載がないので、シュポルツルの弾き振りか。青いヴァイオリンでラ・フォル・ジュルネを沸かせたチェコのヴァイオリニストの演奏だ。ラ・フォル・ジュルネではネマニャ・ラドゥロヴィチの「四季」ばかりが目立った。それはそれで素晴らしい演奏で私も心の底から震撼した。が、改めてシュポルツルを聴いてみると、これもまた素晴らしい。ネマニャと正反対。むしろ、かつてのイ・ムジチの演奏に近いかもしれない。澄み切った音。高貴でバランスの取れた音楽。鋭い音でありながら、音楽の楽しさに溢れ、心が洗われる。「ネマニャよりも、こっちのほうが、やっぱりほんとうのヴィヴァルディだよな」とひそかに思う。

(シュポルツルの演奏はかなりCDを聴いた。いずれもかなりの水準だったが、「四季」が一番よかった)

700 ・「生の喜び・死の芸術」と題されたトーマス・ヘンゲルブロック指揮、バルタザール=ノイマン=アンサンブルによるパーセルの「メアリ女王の葬送のための音楽」、バッハの「深き淵より」などのCD(ドイッチェ・ハルモニア・ムンディ)。まさしく生と死を思い浮かべる。これぞ音楽のエッセンス。心打たれる。

・ベルリン古楽アカデミーの管弦楽組曲全集。これは正真正銘素晴らしい。リヒターでもなく、もちろんカラヤンでもなく、これこそがバッハだと、最近私は思うようになった。

・ヤンソンス指揮、バイエルン放送管弦楽団 ハイドンの100,104など(ソニー)。若いころのようなダイナミズムはないが、しみじみとした美しさがある。大いに気に入った。

064 ・ケラスのチェロ、ビエロフラーヴェク指揮のプラハ・フィルによるドヴォルザークのチェロ協奏曲(ハルモディア・ムンディ)。深く内省的でありながらも、張りのあるとても良い演奏。ケラスは素晴らしい。「ドゥムキー」も入っているのでお得。

・期待はずれだったもの・・・テンシュテット指揮、ロンドン・フィルのブラームス1番とシューマンのピアノ協奏曲。なぜか燃えない。ファビオ・ルイジ指揮、ドレスデン・シュターツカペレのブルックナー9番。悪くはないが、もっと上を期待していた。

 

 チェロの練習を、今日、3日ぶりくらいにした。でも15分くらい。チェロを自分で弾くよりも、CDを聴いたり、DVDを見たりするほうがずっと楽しいというのが、困ったものだ。マルティヌーのミニチュア組曲の練習をしているが、CDを聴いたことがないし、ピアノの伴奏もないので、音楽を奏でている気がしない。早くCDを手に入れたい(注文したが、まだ届かない)。

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音楽」カテゴリの記事

コメント

久しぶりにブログを拝見して驚きました。ラ・フォル・ジュルネ項目がずっと過去のものになるほど、樋口先生はもう随分たくさんの劇的な場面に身を置かれておられたのですね。のんきにラ・フォル・ジュルネの余韻を味わっていた私ですが、、。

音楽愛好家とさえいえない素人の私の推薦CDをチェックしてくださるなんて大変光栄というか恐縮です。LFJ自体よりもハンス・イェルク・マンメルさんに”熱狂”してCDを集めているに過ぎない私ですが、また少し書かせていただけたら幸いです。

LFJにあわせ、昨年からバッハに関する本を読んでおりました。その過程で自分なりのバッハ像を描くようになったのですが、ミサ・ヴレヴィスは晩年のバッハが大事にしていた宝物のひとつだと感じていました。この、ルターの顔がジャケットになった意味深の「ミサ・ヴレヴェス」を見つけた時は心底感激したものの、正直、うちでは宝の持ち腐れ状態に近づいていたのです。

カントゥス・ケルンの透明なコーラスは高い評価を得ているようです。が、ユングヘーネル氏がアルトに文字通り女性を使い、甲高いソプラノを立てて女性性が強調されているあたりにはいつも違和感を感じていました。たぶんオペラを全く聴かないせいか私には味わい尽くし得ない作品なのでした。今回のLFJでピエルロさんがBWV235のミサ曲を聴かせてくれてその良さを実感したところです。省みると失礼な話なのですが、、。「ミサ・ヴレヴェス」を樋口先生が愛聴してくださって本当にありがたく思っています。


古い記事になりますが、後日、LFJ関連のコメントをお送りしてもよろしいでしょうか。


投稿: ミサ.ブレヴィス | 2009年5月24日 (日) 00時34分

記事と直接関係ないのですが、トラックバックをつけさせて頂いたのでご報告します。
先日のアマゾンの話を書いたので、お時間があったら見て下さいね!
wink
私はクラッシック音楽は、作曲家でピアニストの青島さんの出演番組や『のだめカンタービレ』で入った人なのでよくわかりませんが、楽しそうですね!

投稿: 森戸やすみ | 2009年5月24日 (日) 08時28分

ミサ.ブレヴィス様
コメント、ありがとうございます。
ユングヘーネル指揮のミサ曲集、とても気に入っています。ソプラノもアルトも、見事だと思います。バッハのミサ・ブレヴィスの価値を教えてくれるCDです。
ラ・フォル・ジュルネでのピエルロのBWV235も素晴らしかったのですが、それに匹敵すると思います。ピエルロのときのソプラノのハメネイ、圧倒的に素晴らしいと思ったですが、いかがでした?
ラ・フォル・ジュルネについて、もちろん、コメントくださるとうれしく思います。

投稿: 樋口裕一 | 2009年5月24日 (日) 13時48分

森戸やすみ様
ブログ拝見しました。とても楽しくてためになるブログですね。
ブログの書き方について、教えられることばかりです。
私自身は、トラックバックをつけたり、ほかの方のブログにコメントしたりするのは、今のところ自制しています。それを自分に解禁すると、拙著をほめてくれる人にお礼を言ったり、けなしている人にケンカや議論をしかけたりしそうですので。
是非、クラシックをお聴きになってください。お子さんと一緒に聞くと、絶対に楽しいと思います。

投稿: 樋口裕一 | 2009年5月24日 (日) 13時58分

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