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ラ・フォル・ジュルネ2009のベストテン

 2009年のラ・フォル・ジュルネのベストテンを選んでみた。

 もちろん、これは私が聴いた25のコンサートの中から選んだにすぎない。私は、バッハの音楽の中では宗教曲が最も好きだ。次にチェロやヴァイオリンなどの弦楽器と、フルートなどの管楽器。私は鍵盤楽器をあまり聴かない。だから多くの人が絶賛するピアノのシュ・シャオメイを聴いていない。バッハ以外の作曲家は敬遠したので、これまた大評判のラ・ヴェクシアーナも聴いていない。すでにナントで聴きまくったので、東京では、無伴奏チェロはあまり聴かなかった。また、青いヴァイオリンのシュポルツルのシャコンヌも、ナントで聴いて最高に素晴らしいと思いながら、今回はほかの演目と重なって聴けなかった。

 そうした中で選んだベストテンだ。

①コルボ指揮、ローザンヌ声楽・器楽アンサンブル。『マタイ受難曲』。

 人類の宝である『マタイ』をこのレベルで演奏されると、私としては感動の極致に達するしかない。

②オーヴェンニュ室内管弦楽団、ベーク指揮。ネマニャ・ラドゥロヴィチのヴァイオリン協奏曲2番ホ長調と1番イ短調。

 ネマニャの圧倒的なヴァイオリン!

③リチェルカール・コンソート、フィリップ・ピエルロの指揮で、ミサ曲ト短調とマニフィカート。

 この団体、そしてピエルロの親密で柔らかで祈りにあふれた宗教曲は最高!

④カントロフ指揮、シンフォニア・ヴァルソヴィア、ネマニャ・ラドゥロヴィチでヴィヴァルディの『四季』

 ネマニャ大得意の『四季』。驚きと感動のヴァイオリン!

⑤オーヴェンニュ室内管弦楽団、ベーク指揮。シュポルツルのヴァイオリンでヴァイオリン協奏曲ホ長調。

 シュポルツルの正統派ヴァイオリンは素晴らしい。ネマニャと対極! 

⑥ベルリン古楽アカデミーで管弦楽組曲2番4番

 スウィングするバッハ。本当に楽しかった。

⑦ウェスペルウェイのチェロで無伴奏組曲3番4番

 ナントでよくなかったウェスペルウェイに感動した。

⑧リチェルカール・コンソート、ピエルロの指揮でライケン、ブクステフーデ、ゴルトベルクの作品。

 ピエルロの弾くバッハのヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタが特に良かった。

⑨鈴木雅明指揮、バッハ・コレギウム・ジャパンで「ヨハネ受難曲」。

 日本のバッハ演奏の水準の高さを示した。

⑩ビオンディ指揮、エウローパ・ガランテでヴィヴァルディの『四季』。

 勢いのある『四季』。

 

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コメント

LFJの感想に関して少なからずショックを受けたことがあります。全く個人的な感慨に過ぎません。あまのじゃくがいたね! と笑いながら読んでください。

リチェルカールCDでおなじみのピエルロさん、慈悲深さは変わらないが今回は、そう、何か親密な雰囲気が際立ちましたね。何か新しいことをやっていると感じました。そのせいか、特に言葉については新しい解釈を試しているようで、初日は戸惑いながら聴きました。ケオハネさんの美しいけど生な声、メーナさんのもったいぶった歌い出しは、私の中ではもっと「抑制されるべき歌唱法」なのでした。フーグさんは実に可愛いくボーイソプラノ並みの無垢な表現でバッハの歌に最適と思いましたが「t」の音が目立って汚い。そして楽器陣の妙な落ち着き、、。 ピエルロ氏のなんらかの作為を感じて、勝手に落ちつかないでいました。

バッハの声楽曲を聴く際に気に留めていることがあります。バッハ研究の複数の著書に出てくる次のような記述です。 「神に捧ぐべきは美しい声ではなく、美しい言葉であるべきだ」 これはバッハ自身の語ではなく、著書の文脈を離れて引用することにも無理がありますが、この時代の音楽と歌詞の関係や作曲時のバッハの心構えを表わしていると思います。そしてこの観点から見て?聴いた?私の最高満足点は、ピエール・アンタイ指揮、ル・コンセール・フランセのカンタータ BWV93とBWV33公演に捧げます。憧れの人バッハの魂がすぐそばに寄り添ってきたと表現していいと思ったほどです。なのに「ついウトウトしてた」と言う知人。

とはいえ最終日のリチェルカールは皆さんと一緒に絶賛できました。生演奏が聴けて本当に幸せでした。
生身のピエルロさんは想像よりずっと若くかっこよかった。たぶん彼は私が聴いているCDの指揮者よりも更に新しい古楽の前線を担っていく世代なのでしょう。
再来日を期待しています。

投稿: ミサ.ブレヴィス | 2009年5月24日 (日) 23時16分

ミサ.ブレヴィス 様
コメント、ありがとうございました。
バッハの「言葉」に対するご意見、とても興味深く思い、同時に、強い刺激を受けました。
なるほど!
私は、フランス文学専攻(そのわりに、昔もそれほどできたわけではありませんが、今はまったくできません!)のせいか、フランス語はかなり気になりますが、ドイツ語はまったく気になりませんでした。
私は、ピエール・アンタイについては、神経質なところを感じて、実は音楽の心の中に入り込めずにいます。その点、ピエルロの懐の深さに惹かれます。

投稿: 樋口裕一 | 2009年5月26日 (火) 09時07分

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