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「鴨川」がなくなった! (京都雑感)

 昨日は京都で授業をして、今朝、近くの観光をした。先ほど、東京に戻った。

 2週間前の京都は新型インフルエンザ騒ぎの真っ只中で、歩く人の5人に一人くらいがマスク姿だった。修学旅行生は全員がマスクをしていた。ところが、2週間ぶりに来て見ると、マスクをしている人は皆無に等しい。ただ、修学旅行らしい生徒の姿は見えない。がらんとした感じ。外国人が妙に目立つ。

 渉成園に行ってみた。枳殻邸(きこくてい)と呼ぶほうが通りがいいようだ。私の宿泊地から見えるのだが、初めて足を運んだ。東本願寺の別邸で、徳川家光の時代に作られたらしいが、現在のようになったのは明治になってかららしい。

 が、歴史はともかく、庭園として実に美しい。こじんまりとしながら、池もあり、灯篭もあり、庵もある。京都駅からすぐのところなのに、別の時間が流れている。別世界の箱庭といった風情がある。

 30~40分ほどぶらぶらしている間、この場所を訪れていた観光客は10人程度。そのうち7人ほどが西洋人だった。もしかしたら、ミシュランガイドにここが載っているのか?

 そのまま東京に戻ろうかとも思ったが、もう一度、智積院にいって長谷川等伯の絵を見たくなった。2週間前にも見た(そのときのことは、5月20日のブログに書いた)が、何度でも見たい絵だ。絵に感動してもう一度見たいと強く思ったのは、ゴヤの「暗い絵」とフェルメールの数作に続いて生まれて三度目かもしれない。心の底からゆすぶられる体験は、音楽ではしゅっ中だが、絵画では、私にはめったに起こらない。

 二度目見ても、同じほど感動した。桜の図といい、楓の図といい、宝物館の四方を飾るすべての襖絵が圧倒的な迫力で迫ってくる。金屏風を背景に描かれ、豪華絢爛で勢いがある。が、実に繊細。幹や花の存在感といい風にそよぐ草のたおやかさといい、全体が一つの世界をなしている。「静と動」とでも言うのだろうか。

 音楽についてであれば、ある程度、言葉でその様子を表現できる。が、美術、とりわけ日本絵画となると、私にはどう伝えてよいのかわからない。

 桜の図と楓の図は国宝らしいが、これまで私が知らなかったのだから、それほど誰もが知っている絵というわけではないのだろう。こんなものすごい絵があまり有名ではないとはどういうことなのだろう。目が肥えたら、もっともっとよい絵にめぐり合えるのだろうか。

 智積院からの帰り、2週間前と同じように、また米川先生の幻影に会えるのではないかとひそかに期待していた。が、そんなことは起こらなかった。やはり、前に起こったことは、単に他人の空似でしかなかったのだと、改めて納得した。

 東京に戻る前に、私のひいきの新阪急ホテル地下の美濃吉に寄って昼食をとった。ここの「鴨川」が絶品であることは、前にこのブログに書いたとおりだ。

 だが、その「鴨川」はメニューから消えていた。しばらく前からなかったが、一時的かと思っていた。が、永遠に消えたらしい。「はも御膳」がそれに代わるものとしてあった。これも感動的なほどおいしかった。白味噌仕立てと夏野菜が絶品。

 が、やはり「鴨川」を残してほしい。今度、お店に人に直談判しようか・・・

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コメント

僕も先生のように感動するほど美味だったメニューがなくなっていたことあります。
とても悲しいです・・・しかしそのメニューだけにとらわれることなく、新たな感動的なメニューを探す楽しみも増えますけどね

投稿: T摩大学生徒 | 2009年6月 3日 (水) 02時30分

T摩大学生徒様
なるほど、そんな考えもありますね。
さすが、昨年教えた学生であるだけに、いいことを言う!
が、そう言い切ってしまうには、あまりに絶品のメニュだったのです。

投稿: 樋口裕一 | 2009年6月 4日 (木) 12時56分

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