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紙スピーカーとブランドネームへの満足、そしてDVDレコーダーへのストレス

 先週は、忙しくてまったく余裕のない1週間だった。その間、考えたことなどを、まとめてみる。

 スピーカーメーカーであるヤマタミの和紙を用いたTVステレオスピーカーを聴いてみた。7万9800円という料金設定にはびっくり。私は、秋葉原で50万円弱で買ったビクターのスピーカーを使っているが、楽器編成によってはこれに遜色がない。ブルックナーの交響曲やワーグナーの楽劇では、ビクターのほうが奥行きがあっていいが、ヴァイオリンのソロやソプラノ、そしてとりわけ、古楽器の演奏では、音が前に出てきて、むしろヤマタミのほうがよいと感じる箇所さえある。ネマニャ・ラドゥロヴィチのバッハの無伴奏やベルリン古楽アカデミーのバッハは、張りのある音が前面に押し出して、なかなかよかった。

 626日の多摩大学の授業時間に、高畠真由美さんに来ていただいて、自分のブランドネームを作る作業を学生にしてもらったことは、前にも書いた。1週間後の3日、学生に感想などを聞いたが、大好評。

 自分の好きなものを書き、それを他人と見せ合って話をし、そこから自分を発見し、自分の売り物を決め、そしてそれを自分の長所を一言で表現する「ブランドネーム」にしていくという流れはとても理にかなっていると思った。高畠さんの上手な話しぶりもあって、学生たちは大乗りで作業をしていた。

 私自身も学生の一人と受講生の一人として作業を行ってみた。私は自己分析を得意とする人間であり、客観的視点を持ち合わせていると自負しているので、新たな自己発見などないだろうと思っていた。が、ペアを組んだ学生から、私が思ってもいない私自身の特質を言われて少し驚いた。私でさえそうなのだから、自分を見つめることの少ない学生にはきわめて有効だろう。

 DVDレコーダー(東芝 VARDIA RD-X8)に振り回された1週間でもあった。

 マニュアルに書かれているとおりにアンテナやテレビに接続しているのに、スタートメニュが動かない。きっと故障していると思い、インフォメーションセンターに電話で相談しようと思って、朝の9時から電話をするが、9時直後にかけても、昼間かけても、夜かけても、常に「ただいま混みあっています。おかけ直しください」というアナウンス。

 4日の朝9時にやっと「しばらくお待ちください」というアナウンスだったので、15分ほど待ってやっとオペレーターと話ができた。そこで、「故障とは限らない。二つある出力端子の上のほうに接続すると、そうなることがある」といわれた。そんな記述はマニュアルにはなかったはずだ!!

 が、そのときは時間がないので、「HDMIケーブルであれば、そんな心配はない」と聞くだけ聞いて、作業はしないまま、すぐに出かけた。そして、昨日、HDMIケーブルを買ってきてつないでみた。

 今度はきちんと映った。やっと初期設定ができた。が、20分ほどたつと、また見えなくなった! またまたマニュアルとにらめっこ! あれこれいじり、結局、別の部屋で使っているHDMIケーブルと取り替えてみたら、どちらも正常に作動を始めた。

 一体どういうことか! 新しいDVDレコーダーとケーブルの相性が悪かったということか? そんなことがあるのか!

 昨夜になって、やっと正常に作動して、いくつか録画してみた。録画そのものについては満足している。

 が、今度また困ったことになった。録画した番組の不要なところをカットしたいが、いくらマニュアルを見てもその方法がわからない。これまで使ってきた5台のDVDレコーダーで簡単にできた作業が、どうしてもできない。

 こんなに忙しいのに、DVDレコーダーに時間を取られ、いらいらさせられるなんて! あと少しで朝の9時になるので、電話をかけて方法を尋ねてみようかと思っている。すんなりと通じてくれればいいが・・・

 しかし、それにしても、あまりにひどい状況ではないか!

 私は特に機械オンチというわけではない。オーディオの接続は30年以上前から自分でやっている。しかも、私はかなり読解力があるほうだ。文章の読み取りにかけては、誰にも負けない。その私が、これほど機械設置に苦労し、マニュアルを理解できずに困っている。インフォメーションの電話が通じないところをみると、私と同じように困っている人が山のようにいるのだろう。そして、これほど多くの人が電話をしているのに、ずっとつながらない状況を放置しているメーカーにもあきれる。

 これは東芝のこの機械だけの状況なのか。それとも、現在の機械すべての状況なのか。あまりに複雑な接続と設置。あまりに複雑な操作。書かれているとおりにしても作動しないで、意味不明の記述の多いマニュアル。混雑するインフォメーションの電話。

 ともあれ、またまた我が家に理解不能の機械が入り込んできたわけだ。少し前まで、中身は理解不能であっても、使用することについては100パーセント理解できていたが、このごろは使用さえろくにできない。そして、このような機械を使いこなせない老人たちは、ますます時代に取り残されていく。

「低レベル技術では中国に負ける。日本はハイテクを開発していくしかない」といわれるが、それは使いこなせない機械を開発するということであってはならないと思う。こんなことなら、むしろ、中国に誰でも使える低料金のレコーダーを作ってほしいと思ってしまう。

 チャップリンの「モダンタイムス」の機械に取り囲まれて発狂する労働者のような気分になった。

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コメント

インフォメーションセンターとはどの企業もそんなもんですよ
なかなか出ないのは日常茶飯事です。
まさに忍耐ですね
しかし先生、そのことに関しての具体的なメーカー名を出しても大丈夫なのでしょうか?
それが心配です…

投稿: T摩大学生徒 | 2009年7月 6日 (月) 11時29分

確かに、最近のマニュアルは詳しい(厚い)けどわかりづらいのも多いですね。

P133あたりの編集方法の通りに作業しても上手くいかなかったら電話ですかね・・・・・・。

RD-X8のオンラインFAQ
http://www3.toshiba.co.jp/hdd-dvd/support/faq/rd-x8.htm
FAQには載ってないみたいですね・・・・・・

投稿: | 2009年7月 7日 (火) 00時00分

T摩大学生徒様
毎度ありがとう。
中傷でも誹謗でもなく、ウソ偽りのない事実なので、メーカー名を出しても問題ないと思います。それに、この製品を全否定するつもりはありません。もっとわかりやすい製品とマニュアルを作るための一つのシビアな提案と考えてほしいものです。

投稿: 樋口裕一 | 2009年7月 7日 (火) 11時28分

無名の投稿者様
コメント、ありがとうございます。
マニュアルにある記載は、すでに使えるようになってから読むと理解できるかもしれませんが、まるで何も知らない状態で読むと、ちんぷんかんぷんです。
日常品までが専門家しかわからないようなものになってしまって、身の回りのことも自分でできなくなる・・・というのは困ったものです。

投稿: 樋口裕一 | 2009年7月 7日 (火) 11時34分

「ブランドネーム」をつくる作業が好評だったようで、とても嬉しいです。
素晴らしい機会をいただき、ありがとうございました。
樋口先生のお蔭で、とても話しやすい「場」ができていました。
本当にありがとうございます。
私がいつも行なっている大学の授業も、このように話しやすい場であるといいのになと思います。(まだまだ力不足です)

投稿: 高畠真由美 | 2009年7月11日 (土) 19時21分

高畠真由美様
「ブランドネーム」がとても大事であることを認識できました。ほんとうにありがとうございました。改めて、お礼を申し上げます。私も勉強になりました。

投稿: 樋口裕一 | 2009年7月14日 (火) 22時17分

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