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小山由美さんのメゾにぞっこん!

 二期会ゴールデンコンサート、小山由美のメゾソプラノ・リサイタルに行った(7月11日 津田ホール)。三部から成り、第一部はドイツ語、第二部はフランス語、第三部はロシア語を中心としてプログラムで、時代順に大作曲家の「愛」にまつわる名曲(小山さんがひそかに愛する曲)を並べて聞かせてくれた。ピアノ伴奏は佐藤正浩。

 これまで、バイロイトや新国立劇場を始め、多くの劇場で彼女のオペラを聴いてきた。圧倒的に素晴らしいと思ったのは、『サロメ』のヘロディアスと『マクロプロス家の事』のヒロインだった。メゾソプラノなので、主役を歌うことは少ないが、常にオペラの中で輝いている存在だ。

 まずは安定した歌唱から始まった。バッハのカンタータ154、ハイドンの「スターバト・マーテル」、シューベルトの「ファウスト」、メンデルスゾーンの「ズライカ」など、音程がしっかりし、声がまっすぐに伸びている。表現力も完璧。佐藤さんのピアノ伴奏も、はじめは硬かったが、すぐにこなれて見事だった。指揮者としても活躍中らしい。是非聴いてみたい。

 私が最も感銘を受けたのは、第二部だ。ドビュッシーの「ビリティスの三つの歌」もよかったが、メシアンの「シラブル」、そして、ヘルフェルトという現代作曲家の芭蕉の俳句「原中やものにもつかず・・・」に基づく曲。ヘルフェルトの曲は、初めて聞いたし、このような作曲家もこれまで知らなかったが、とてもおもしろかった! 

 ピアノ伴奏なし(こういうのも、ア・カペラというのだろうか)で、口笛が入ったり、舌打ちのような音(専門用語で何と言うのか知らない)が入ったり。そうしながら、一つの世界を築いていく。声が美しく、音程の揺るぎがなく、しかも表現力があるので、ぐいぐいと聴衆をひきつけていく。口笛も美しい。圧倒的な表現力!

 

 そして、第三部のしっとりとしたロシア語の歌、そしてアンコールの「カルメン」のハバネラと「こうもり」のオルロフスキーのアリア。小山さんの魅力が満開だった。

 ともあれ、歌に気品がある。「凛とした」という表現がふさわしいかもしれない。小細工のない正統的な歌で、しかも声量がたっぷり。容姿を含めて、女性的な魅力も申し分ない。オペラもリートもともに最高レベルで歌えるメゾソプラノであることを再認識した。

 私は小山さんに惹かれて何気なく行ったのだったが、やはり注目のリサイタルだったらしく、わが敬愛する飯守泰次郎先生を始め、音楽界の重鎮や名だたる音楽ジャーナリストも何人も見かけた。NHKのテレビカメラが入っていた。そのうち放送されるだろう。とても楽しみ。

 

 コンサートのあと、新宿で東進ハイスクールでのかつての教え子二人(名前は出さないほうがよいだろう)に会って中華の店で夕食を供にした。優秀な教え子だったが、30代前半になった現在、予想通り、社会の中で成長してくれている。二人のうちの一人は受験産業で働きながらも、社会を的確に見つめている。もう一人は大学院の博士課程に在学中で博士論文を準備中だという。経済的には苦労しているようだが、かつて私も経てきた道だ。二人と現在の受験のあり方、社会のあり方についても少し話をした。

 そのほかの教え子たちの活躍ぶりも聞いた。教え子たちが活躍をしている話を聞くと実にうれしい。彼らの成長の一時期に何らかの寄与ができたとすると、こんなうれしいことはない。

 満足して家に帰ろうとしたら、帰りの電車が人身事故で止まっており、帰宅に2倍の時間がかかった。

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