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荘村清志もすごい! ビルバオ交響楽団、ファンホ・メナに驚嘆!

 ファンホ・メナ指揮、ビルバオ交響楽団、荘村清志のギター・ソロの演奏会(79日、オペラシティ コンサートホール)を聴いて、今帰ったところ。まだ、興奮している。

 初めに荘村さんの素晴らしさを堪能した。深い。思いがこもっている。心の襞を語るギターだと思う。武満徹の「夢の縁へ」のギターの美しさよ。次の、ロドリーゴ作曲の「ある貴紳のための幻想曲」もしみじみと美しい。特に第二楽章は涙が出そうになった。

 後半の「アランフェス協奏曲」も見事。私はこの曲をずっと世俗的で外面的だと思って着たが、まったくそうではないことにはじめて気づいた。高貴で、深く、内省的で魂のおくにしみこむ音楽だ。

 しかし、それ以上に感動し、圧倒され、驚嘆したのは、ファンホ・メナの指揮とビルバオ交響楽団。

 このオケの性能のすごさときたら! 音程がびしっと決まって、実にクリア。華麗で色彩的だが、安っぽくない。すべての楽器の一つ一つが透明に聞こえる。かつてのフィラデルフィア・サウンドとクリーヴランドをあわせもった雰囲気。「スペインのオーケストラ」というイメージが打ち壊される。

 ファンホ・メナもすごい。彼が、このオケを鍛え上げたらしい。リズムがいい。知的に構築していながら、頭でっかちになっていない。前半の最後の曲であるファリャの「三角帽子」第二組曲の華麗さに圧倒された。一つ間違うと安っぽくなる曲を完璧にコントロールして、高貴でさえある。

 何よりすごかったのは、後半の『ボレロ』。まさしく踊るようなボレロ。ファンホ・メナが指揮台の上でくねくねと踊っている。流動と変幻。「ボレロはお笑いの曲」というのが私の持論(幻冬舎新書『笑えるクラシック』参照)だが、踊る指揮者を見ると、まさしく笑える。現に私の前に座っていたカップルは、指揮者を指差して笑っていた。笑いながらも、音の美しさ、流動、うねり、音の重なりに魂を動かされ、激しく感動する。こんなに愉快で、こんなに感動的でこんなに官能的でこんなにエキサイティングな『ボレロ』をはじめて聴いた!

 とんでもない指揮者が現れたものだと思った。ビルバオ交響楽団も世界の超一流オケの仲間入りをするだろう。この指揮者で、ベートーヴェンやリヒャルト・シュトラウスやワーグナーを聴いてみたいと思った。

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コメント

自分は目と耳で楽しませてくれる指揮者大好きです!

投稿: T摩大学生徒 | 2009年7月10日 (金) 04時00分

T摩大学生徒様
毎度ありがとう。
是非、オーケストラの公演に足を運んでください。学生はかなり安く設定されているところがあります。きっと感動する演奏に出会えると思いますよ。

投稿: 樋口裕一 | 2009年7月14日 (火) 22時12分

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