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多摩大20周年コンサート後日談

 先日、このブログにも書いたとおり多摩大学創立20周年記念コンサートとしてパルテノン多摩で行った佐藤俊介・菊池洋子のデュオコンサートは大成功に終わった。

 私のもとにも口々に感激の声が寄せられた。多くの人が、「最高のコンサートだった」「若手二人がすばらしいとは聞いていたが、こんなにすばらしい演奏をするとは思わなかった」といってくれた。

 このコンサートを企画し、少しでも多くの人に聴いてもらおうと必死に奔走したスタッフの一人である私は大いに気をよくした。多摩大の職員の皆さんとともに私のゼミが総力を挙げて、運営にあたったのだから、最高の気分だった。

 できれば、もう少し多くの客を集めたかった。相当数の中学・高校の団体客を見込んでいたのだが、新型インフルエンザのために、先生が引率して来るのをためらい、結局、中学・高校の団体客はゼロだった。それについては、残念だったが、やむをえない。

 そのアンケートを見ることができた。もちろん、大好評だ。

 アンケートも308枚が回収され、コンサート全体についての印象について答えてくれた267人中「大満足」と答えた人が156人、「満足」と答えた人が108人、「普通」12人、「やや不満」3人だった。これは大変な数字だと思う。コメントにも、口々に感激が書き綴られている。

 ただ、私がかなりショックだったのは、私のプレトークやインタビューを批判するコメントが10通ほどあったことだ。私のしゃべりをほめてくれるコメントもあったが、批判的なもののほうが多かったような気がする。

 

「プレトークは必要ない」「進行は不要」というようなコメントがあった。「こんな初心者向けのトークをするなんて、バカにしているのか」などと怒っている人もいた。

 だが、観客の中にクラシック初心者の多摩大生がたくさんいたのだ。そんな学生が退屈してうるさくしないように、周囲の観客の迷惑にならないように、演奏者の気分を損ねないように、私は必死に初心者向けにしゃべったのだ。そして、その効果があったので、みんな熱心に聞いてくれたと思う。私を非難する人にそんな事情もわかってほしい!

「司会者である樋口が演奏者にインタビューをして、相手の話を遮って自分のことを話すのが不快だった」「樋口のMCがよくない」といったコメントもあった。

 だが、実は、私は司会やMCをやったつもりはなかった。私は、このコンサートを企画し、二人の演奏家を呼んだ人間、しかも作家として音楽評論家として多少は知られている人間として、つまりは二人の演奏家と同等の人間として、二人と気さくな話をしたつもりだった。佐藤さんとも相談して、そのほうが、初心者には親しみやすいと判断したのだった。それに、確かに二人は未来の大演奏家だが、今の時点では、私のほうがもしかしたら知名度があるかもしれない。少なくとも、私のほうが人生の先輩だ。だから、二人の演奏家がしゃべっているときも、それをさえぎって話をした。それがどうやら、私のことを知らない人に傲慢に見えたらしい。単なるMCのくせに無礼と思われたようだ。

 もっと謙虚にして、あくまでも無名の司会者に徹するか、あるいは逆にもっと偉そうにして、観客に、私が只者ではないことを示すような態度を取ればよかった。中途半端な態度を取ったために、むしろ傲慢に見えてしまった。

 今回のコンサートの観客には、クラシック体験として様々なレベルの人がいた。何をしても、満足してもらえなかっただろう。が、もう少し、考えて行動するべきだったと反省!

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