« 佐藤俊介・菊池洋子デュオコンサート近づく!!  | トップページ | 多摩大20周年コンサート大成功! »

岩崎淑シリーズ、そして、モーツァルト劇場。

 昨日(11月7日)は実に音楽的に充実していた。心から満足して、帰ってきた。

 昼間は、多摩大に在籍する才能豊かなヴァイオリニスト山口豊君(そのうち、彼のリサイタルを企画したい!)に誘われて、岩崎淑シリーズを聴いた。チェリストのヴィットリオ・チェカンティと岩崎淑のデュオで、ベートーヴェンのソナタ全曲と、岩住励の新曲 Eccentric Loops

 前半のベートーヴェンの2・4・5番のソナタ。安全運転の演奏で、やや一本調子の感があった。誇張のない誠実な演奏で、好感は持てたが、もう少し味付けを濃くしてもよいと思った。

 ところが、岩住励の新曲に始まった後半は、二人の息がぴったり合ってきて、前半と違って、かなり表現の幅が大きくなり、チェロに思い切った表現が増えてきた。だんだんと素晴らしくなって、3番は感動的だった。正攻法でじっくりと聞かせてくれる。自己主張を表に出すのではなく、あくまでもベートーヴェンを聴かせようとしてくれるところがいい。無理をせずに徐々に盛り上げていく。チェロはちょっとイタリア風の明快なベートーヴェン。だが、構成のしっかりとした、きわめて知的なベートーヴェン。

 後半の最初の岩住氏の曲もおもしろかった。私は現代曲はあまり聴かないが、これはそんな人間にも十分に楽しめた。

 コンサートのあと、AFS友の会(海外との交歓留学生を世話する会)の人々のパーティに加わって、軽く食事。岩崎淑さん、チェカンティさん、岩住さんにも紹介していただいた。山口君のご母堂とも、AFS友の会の方たちとも話ができて、とても楽しかった。実に魅力的な人たちだと思った。

 パーティを途中で抜けて、タクシーで次の会場、浜離宮朝日ホールに向かい、ぎりぎりに到着して、6時からはモーツァルト劇場(モーツァルトのオペラの公演をする目的で結成された団体だが、現在ではモーツァルト以外の珍しいオペラを高いレベルの演奏で紹介している)の公演を見た。

 プーランクのモノオペラ『人間の声』とオッフェンバックのオペレッタ『チュリパタン島』。昼の部と夜の部の2回の公演だが、私が見たのは夜の部。日本語訳詞だが、ともにすばらしかった。

『人間の声』は、演出が上村聡史、ヒロインは高橋さやか、ピアノ伴奏は徳田敏子。何よりも驚いたのは、モーツァルト劇場の主宰者でもある高橋英郎の日本語訳の素晴らしさ! まったく違和感なく日本語のオペラになっている! 高橋さやかは、芸大の博士課程在学中だというが、素晴らしい才能だと思った。歌も演技も見事。日本語もはっきりと聞き取れる。

 オペラは原語に限るとずっと思っていたが、これほど自然であれば、日本語で聴くのも悪くないと思った。

 次に、オッフェンバックの『チュリパタン島』の日本初演。これはもっとおもしろかった。奇跡的だと思った。笑える! 音楽的にもおもしろい。日本語も違和感なし。ユーモアのセンスも抜群! 私はオッフェンバックが大好きだ。自殺を考えている人にオッフェンバックを聞かせると、絶対に考えを変えると思う。欝の人を躁状態に変える力をオッフェンバックの音楽は持っている。

 カカトワ公爵の吉田伸明、アレクシスの砂田恵美、ロンボイダールの栗原剛、デオリーヌの遠藤亜紀子、エルモーザの布施雅也、そして合唱団、すべてがこなれている。演技も歌も見事。時任康文指揮のモーツァルト劇場管弦楽団(全部で5人!)もいい。上村の演出も実に楽しい。日本人が欧米人を演じ、しかもオペラを歌って笑わせるというのは、実は大変難しい。一つ間違うと、失笑を買ってしまう。が、すべて計算どおりに笑わせている。見事!

 オッフェンバックのオペレッタを次々と日本初演しているモーツァルト劇場に感謝! もっともっとオッフェンバックのおもしろさを日本の人たちに紹介してほしい。

 それにしても、客はまばらだった。100人そこそこしかいなかったのではないか。こんな高レベルの公演が、100人そこそこにしか見られないのは、とても残念! 同時に、高橋英郎氏のご苦労はいかばかりかと思った。何度か高橋氏の横を通り過ぎたので、激励の声をかけたかったが、私は実はかなりシャイな人間なので、未知の方に声をかけることはできなかった。

|

« 佐藤俊介・菊池洋子デュオコンサート近づく!!  | トップページ | 多摩大20周年コンサート大成功! »

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/532807/46702310

この記事へのトラックバック一覧です: 岩崎淑シリーズ、そして、モーツァルト劇場。:

» 927- プーランク 人間の声 & オッフェンバック チュリパタン島 愛の賛歌 2009.11.7 [河童メソッド]
● 2009-2010シーズン聴いたコンサートより ● 2009年11月7日(土 [続きを読む]

受信: 2009年11月 8日 (日) 20時25分

« 佐藤俊介・菊池洋子デュオコンサート近づく!!  | トップページ | 多摩大20周年コンサート大成功! »