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大野和士・リヨン歌劇場の『ウェルテル』、素晴らしい!!

 時間がないので、少しだけ書く。が、だからといって、つまらなかったわけではない。それどころか、稀に見る名演だと思った。11月1日、オーチャードでの大野和士指揮、フランス国立リヨン歌劇場管弦楽団の演奏会形式によるマスネーの『ウェルテル』全曲。 大野の指揮を実演で聴くのは初めてだった。

 最初の一音が出てきたときに、「オッ!」と思った。フランスのオケによるフランスの作曲家のオペラらしいもっと軽い音を予想していたら、芯の強い深い音が聞こえてきた。

 歌手は見事。だが、それ以上に、オーケストラ、そして指揮に圧倒された。大野和士の指揮はテレビでのワーグナーのオペラ放映で凄さを知っていたが、本当に凄いとしかいいようがない。情念のうねりが厚みのある音で表現される。しかし、安っぽくなく、実に知的に、そして立体的に構成されている。「立体的」といったのは、平板でなく、彫りが深く、表現が多彩だということ。

 大野に関しては、聞きしに勝る凄さだと思った。来年、『トリスタン』を新国立で指揮するというニュースを知った。これは楽しみだ。

 歌手では、シャルロットを歌ったケイト・オールドリッチが素晴らしい。こんな名前の容姿と声の両方が見事な歌手に舌を巻いた記憶があったので調べてみたら、彼女がアムネリスを歌った『アイーダ』のDVDを持っていた。フランス語の歌いまわしも、私にわかる限りでは見事。ウェルテルのジェイムズ・ヴァレンティもどこかで見た記憶がある。これも文句なし。ほかに、アルベールを歌ったリオネル・ロートも、大法官のアラン・ヴェルヌもよかった。ソフィー役のアンヌ=カトリーヌ・ジレにちょっと弱さを感じたが、役柄からすれば十分だろう。

 ただ、座った席のせいか、周囲の人のマナーに少しいらいらした。

 本人たちは間違いなく、十分にマナーを守ったつもりでいる。が、私は気になる。右隣の女性は演奏が始まるまでずっとしゃべっていて、演奏が始まるとプログラムを取り出して、あらすじを読み始める。ページの音が気になる。あらすじを知らないのなら、演奏が始まる前に読んでおいてほしい。

 左隣の女性は、膝の上にハンドバックを載せ、その上に手を押し付けてみている。本人は気にならないようだが、手を動かすごとにバッグがきしむ。ギュー、ギューという低音なのだが、連続的なので、どうしても気になる。

 その隣の男性は、第一幕の間、ずっと寝ていたが、目を醒ましてから、突然、腕に痒みを覚えたらしく、腕をこすり始めた。寒い時に羽田をさするように、ずっとさすっている。これも本人は気にならないのだろうが、シャーシャーという音が聴こえて、連続的に聞こえて、気になる。

 かつてどこかのオペラハウスの来日公演で隣の男性が髭を剃っていないのに突然気づいたらしく、ずっと髭をじゃりじゃりいわせ始めてまいったことがある。当時、私はまだ世慣れない大学院生だったので、何もいえなかった。98年にバイロイトに行ったとき、『オランダ人』のさいちゅう、観客の一人に親指と親指をぐるぐる回転させる癖のある男がいた。一体どんな指をしているのか、二つの指がこすれる時に、とんでもない大きな音が出る。私からは3メートルほど離れたところに座っていたが、自転車がきしむような大きな音がまわりじゅうに響いて閉口した。2時間半ほどの間、ずっと続いた!

 隣の客があまりにうるさいときには、私は注意することにしている(これまで、何度も注意し、何度かは険悪な状況になったこともある!)、我慢できる時や、相手が遠くにいるときには我慢している。

 何とかマナーを徹底してほしい。同時に、自分で気づかずに周囲に迷惑をかけていることに恐ろしくなる。私もそんなことをしているのではないか・・・

 原稿に追われて時間がないのに、つい夢中で書いてしまった。

 何はともあれ、大野の指揮は素晴らしかったと書きたかったのだった!!

 

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