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東京都交響楽団のブルックナー7番に失望

 昨日(1216日)、東京文化会館で、東京都交響楽団(都響)の定期演奏会を聴いた。ジェイムス・デプリースト指揮でシューマンのヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリンは、イザベル・ファウスト)とブルックナーの交響曲第7番。デプリーストは、以前ブラームスのCDを聴いて透明な演奏が悪くなかった。最近、ブルックナーのCDが話題になっているので、期待していった。

 が、大いに期待はずれだった。

 シューマンの協奏曲は、実は私の苦手な曲。ヴァイオリンのソロには美しいメロディがある。が、オケの伴奏がよくない。ヴァイオリンのソロも、無駄が多い。正直なところ、美しいメロディだけまとめて5分くらいの曲にしてほしいと思う。

 これを作曲したころ、シューマンはすでに精神を病んでいたという。私もそれを強く感じる。狂気に陥った人間が同じことをくどくど続けている・・・そんな感じがする。この曲を献呈されたヴァイオリニストのヨアヒムは、演奏不能として初演を拒否したというが、私がヨアヒムだったとしても、同じようにしただろうと思う。聴いているうちに、イライラしてくる。

 イザベル・ファウストはよく弾いていたと思うが、いくら良い演奏でも、この曲では、私はついていけない。

 後半はブルックナーの7番。

 なだらかで、やさしく、メリハリのないブルックナー。暴力的なところがなく、生煮えのようなブルックナー。デプリーストは、どこから見ても図体のでかい男性(ただ、なにかの病気だということで、車椅子に乗って指揮する)だが、かなり女性的演奏といえるかもしれない。弱い音と強い音の差が少なく、爆発もしない。温和で母性的。音の透明度を求めているのだろう。

 これがきっとデプリーストのブルックナーの理想なのだろう。だが、これでは峻厳な神は現れない。激しい信仰心は生まれてこない。それに、細かいところで、精神の集中が欠けるのを何度か感じた。

 これは私の好きなブルックナーではない。もっと言えば、ほとんど我慢のならないブルックナーだった。途中で帰りたくなった。まったく魂は震えない。

 やはりどうも私は精神が狭いようで、寛大になれない。二度とデプリーストのブルックナーには近づかないことにしようと思った。

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