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フルシャ指揮、新日フィルの第九のことなど

 今日(1226日)、すみだトリフォニーホールでヤクブ・フルシャという若い指揮者による新日フィルの第九を聴いてきた。独唱は、天羽明惠・小山由美・永田峰雄・石野繁生。

 第九の前にドヴォルザークのテ・デウムが演奏された。CDは聞いたことがあるが、実演は初めてだった。曲のせいか、ホールのせいか、指揮のせいか、あるいは合唱が多すぎる(120人くらい)せいか、バランスが悪く、へんてこな曲に聞こえた。

 バリトンの石野繁生は美声で、強い声で歌うときには素晴らしいが、緊張していたせいか小さな声になると音程が怪しくなった。天羽さんはいつもどおり最高! 何と素晴らしいソプラノだろう!

 先日、仕事をご一緒した時、天羽さんの声を「ド迫力の声」と表現したら、ご本人は不本意そうだった。だが、私は天羽さんの声こそ、本当の意味で迫力のある声だと思う。強く激しく心の奥の達して揺り動かす。私はこれほどのド迫力の声は、シュヴァルツコップやクリスタ・ルードヴィヒに匹敵すると思う。

 第九のほうは、指揮は第三楽章までは一本調子が目立った。細かい細工をするが、それをすればするほど音楽全体の骨格が決まらない。曲の大きさに飲まれている感じ。この指揮者、1981年生まれと言うから、今年28歳。この若さでは、やむをえないだろう。このくらいやれているだけでも、たいしたものだ。

 しかも、独唱が素晴らしかったためか、第四楽章になると、かなり乗ってきた。石野さんも、第九に関しては最初から最後まで素晴らしかった。天羽さんはもちろん、小山さんも永田さんも申し分ない。日本の歌手陣の充実に改めて目を見張った。栗友会合唱団もなかなかの出来。最終的には、かなり満足した。

 その後、遅い昼食を錦糸町のベトナム料理店でとった。かなりおいしかった! 同じ雑居ビルにあるマッサージ点でマッサージを受けた。これも大満足! そして、上野の東京文化会館に向って、上智大学管弦楽団の演奏会を聴いた。

 私は上智大学とは何も関係がないが、ふとした縁で誘われ、とりあえず聴いてみようと思った。

 音大の学生オケは何度か聴いたが、一般大学のオケは久しぶり。だが、正直言って、かなり感心した。「ロザムンデ」序曲と、リストの「レ・プレリュード」、そしてチャイコフスキーの「悲愴」。指揮は汐澤安彦。

 もちろん、オケはプロに比べれば、かなり下手。様々の楽器で音程がはずれ、タイミングもずれる。オケの性能に問題があるので、音楽に表情をつけるのも恐る恐るになるのは仕方のないところ。だが、音楽が崩れることもなく、派手な失敗もなく、しかも十分に音楽が高まった。いやはや、たいしたものだ。ちゃんと感動するべきところで感動した。指揮も、オケの技能と妥協しつつ、しっかりと音楽を作っている。見事!

 チェロの一員として、いつかアマ・オケに参加したいなあ・・・と見果てぬ夢を見てしまった。多摩大学で私が中心になって学生オケを結成したいとも思ったが、規模の小さい多摩大学では、難しいだろう。

 ところで、昨年に引き続いて、大晦日のベートーヴェンの交響曲全曲コンサートに行くことにした。

 数年前のこと、高校生だった娘が大晦日から元旦にかけて友だちと遊びに行くと言うので、「結婚するまでは、大晦日と正月は、家族で過ごしなさい!」ときつく言い渡した。その手前、それからずっと、私自身、何があっても除夜の鐘が鳴るころには家に帰っていた。

 ところが、昨年、企画者の三枝成彰さんに誘われて、ベートーヴェン全交響曲演奏に行った。妻には年が明ける時間には家に帰ると約束していた。だが、小林研一郎の熱気溢れる素晴らしい演奏が続き、最後まで聴きたくなってきた。しかも、三枝さんにそろそろ帰ろうと思うといったら、三枝さんは「ここで帰っちゃダメだ!」と本気で怒っている。

 結局、最後の第九まで聞いて、感動しつつ元旦の3時ころに家に帰ったら、妻がカンカンに怒っていた。「やっぱり、約束を破ったわね! 来年もまた行くんだったら、家に帰らないで、ホテルに泊まってきてね!」と強く言われた。

 そんなわけで、今年はどうしようかと大いに迷っていた。おそるおそる妻に打診してみたが、よい返事はもらえないので、諦めようかと思っていた。ところがその矢先、三枝事務所から連絡があり、「当日、ほかの何人かとステージ上で話をしてもらえないか」ということだった。

 私は大喜びで引き受けた。これで堂々と大晦日に音楽が聴ける。妻には、「これは仕事の一貫なのだから、文句を言われる筋合いはない」と突っぱねられる。そうだ、これから毎年、なにかの仕事にかこつけて、このコンサートに行くことにしよう、と思いついた。

 ステージでしゃべるのは気が重いが、大晦日にベートーヴェンの交響曲全曲演奏が聴けるのは楽しみだ。

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コメント

たびたびコメントします。
大晦日の全曲演奏会、昨年までは4年続けて行きましたが、今年はお休み。
先日の読響の第九は、その替わりに行ったようなものです。
先生のトークが聞けるなら、行ってみたいとも思いますが、今年は明日より妻の実家(山形)に帰省するため、ちょっと無理ですね。放送でマズア指揮N響の第九でも聴こうと思っています。
初めて行った2005年は岩城さんが亡くなる前年でしたので、いい記念になりました。翌年は9人の指揮者による駅伝みたいな演奏でしたが、各指揮者の指揮ぶりの違いがよくわかって、大変面白い演奏会でした。
淡々とした高関健さんの第4のあと、オーバーアクションの井上道義さんの「運命」だったりで、オケの皆さんは大変だったろうと思いますが…………
その後2年続けてのコバケンさんで、ちょっと飽きたと言うと語弊がありますが、何となく耳が消化不良をおこしそうな気分になりました。詳細は以前ブログに書いています。
http://hecto.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-9885.html
来年はまた行きたくなるかもしれません。

今年の[振るマラソン」の感想や、トークのあらましなど、書いていただけるのを楽しみにしています。
楽しんで来て下さい。

投稿: ムーミンパパ | 2009年12月29日 (火) 18時30分

ムーミンパパ様
コメントありがとうございます。
大晦日の「振るソン」に4年間も行かれたのですか。
私は、ブログに書いたような事情で、いけませんでしたので、羨ましさを覚えます。岩城さんは好きな指揮者でしたので、聞いておきたかったと思います。
でも、確かに、小林さんの演奏は、信じられないほど熱い演奏であり、まさしく一期一会的な要素があるだけに、何度も聞くものではないのかもしれませんね。
ほかにも何人かいらっしゃるなかでの短いトークですので、私はたいしたことはしゃべらないと思います。でも、気が重いですね・・・
飯森さんの指揮した山形交響楽団のブルックナーのCDを聴いて以来、山形に関心を持っています。そのうち、機会を作っていってみようかと思っているところです。
よい年をお迎えください。


投稿: 樋口裕一 | 2009年12月30日 (水) 08時43分

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