« 『自慢がうまい人ほど成功する』(PHP新書)発売と『ヴァーグナー』の産経新聞書評と! | トップページ | ブロムシュテット+N響のブルックナー5番に魂を震わせる! »

ムターのブラームスを堪能

 4月19日、サントリーホールで、アンネ=ゾフィー・ムターのブラームスの3つのソナタのコンサートを聴いた。絶品。

 はじめの第2番はちょっと物足りなかった。自然で豊穣だが、あまりに自然に流れてしまう。素晴らしいと思いながら、大ホールにはちょっと向かないのではないかと思った。次に第1番「雨の歌」。だんだんと「歌」が流麗になり、味わいが深まっていった。

 そして、休憩後の第3番。私はこの曲を中学生のころ、ダヴィッド・オイストラフとリヒテルのレコードで覚えた。ダイナミックでロマンティックで激しい曲だとずっと思っていた。が、ムターで聴くと、激しさは抑え気味。だが、実に深い味わいがある。

 それにしても、実に自然に流れる。無理をせず、音楽の流れを大事にしている。だが、そうでありながら、実に深く心に刺さってくる。しかも、ほんの少しの音の変化でニュアンスを作り出す。まさしく、大人の味わい。

 第四楽章は魂が震えるくらい感動した。激しい感情が揺れ動く。ブラームスらしい抑制の中のロマンティズム。ピアノのオルキスもしっかりとつけていて素晴らしい。

 そして、ムターの美しさにも改めて驚いた。まさしくヴァイオリンの女王!

 アンコールも盛りだくさんだった。ハンガリー舞曲2番1番7番。それから「子守唄」。最後にマスネの「タイスの瞑想曲」。どれも素晴らしかったが、とりわけ「タイスの瞑想曲」が絶品。

 ムターの大人の色気にノックダウンされた。何と潤いのある、何と深い音色だろう。技術的には何の問題もないやさしいメロディだが、音色の変化が美しい。過去を悔いる遊女タイスの思い、そして色気が伝わってくる。この曲は、これまでアンコールに何度か聴いた記憶があるが、こんなにニュアンス豊かで美しく、心の染み入る演奏は初めてだった。

 ともあれ、満足の一夜だった。

|

« 『自慢がうまい人ほど成功する』(PHP新書)発売と『ヴァーグナー』の産経新聞書評と! | トップページ | ブロムシュテット+N響のブルックナー5番に魂を震わせる! »

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/532807/48132524

この記事へのトラックバック一覧です: ムターのブラームスを堪能:

« 『自慢がうまい人ほど成功する』(PHP新書)発売と『ヴァーグナー』の産経新聞書評と! | トップページ | ブロムシュテット+N響のブルックナー5番に魂を震わせる! »