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今年もラ・フォル・ジュルネが近付いた!

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン(LFJ)が今年も近づいてきた。昨年はバッハが特集されたので、私は大喜びで活動したが、ショパンが特集される今年はちょっとなりを潜めている。

大きな声では言えないが、実はショパンが好きではない。特に嫌いというわけではない。マーラーやプッチーニのように、聞いてイライラするわけではない。実際に耳にすると、親しみやすいメロディ、音楽の展開の見事さに驚嘆する。が、感動はしない。そもそもピアノソロの曲をあまり聞かないこともあって、ショパンには親しめない。

私は、日本での初めてラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンが行われてきたときから、「アンバサダー」として活動してきた。先ごろ刊行された『クラシックの音楽祭がなぜ100万人を集めたか ラ・フォル・ジュルネの奇蹟』(片桐卓也 ぴあ)に、ラ・フォル・ジュルネが日本で定着するまでの軌跡=奇蹟が語られているが、その中に私の名前も何度か出てくる。数えてみたら、ナントで開かれた本場のラ・フォル・ジュルネを加えて、これまで合計238のコンサートを聴いている。もしかしたら、日本記録かもしれない。

そんな事情で、今年も取材の申し込みを受けるが、残念ながらお断りしている。ベートーヴェンやモーツァルトやバッハなら、これまで数千枚のレコードやCDを聴き、数十回、数百回のコンサートに足を運んでいるが、ショパンのCDは10枚程度を必要があって買ったにすぎず、その後、ほとんど聴いていない。ショパンを目的にコンサートに行ったことは一度もない。つまり、ショパンについては人様に伝えるようなことは何も知らない。ショパンについて言いたいことをまったく持っていない。

そんなわけで、今年は、外から応援するだけにしている。もちろん、チケットは手配した。ショパンで唯一好きなチェロ・ソナタは何度か聞くつもりだし、さすがにポゴレリチの弾く協奏曲は聞こうと思っているが、それ以外はもっぱらショパンを避けて、メンデルスゾーン、シューマン、ベルリオーズを狙っている。とりわけメンデルスゾーンは大好きな作曲家だ。メンデルスゾーンを「お金持ちのボンボン」とみなす人が多いが、断じて、それは違う。

なにしろ、メンデルスゾーンはあの時代にあって、ユダヤの血をひく人間だった。祖父のモーゼス・メンデルスゾーンは解放ユダヤ人として知られた人物だ。伝記を読むと、いわれのない差別や嫌がらせに苦しんだことがよくわかる。ヴァイオリン協奏曲や『スコットランド』をはじめとする珠玉の名作は、差別の中で生まれたものだった。差別された存在であるからこそ、あのように流麗で育ちの良いメロディが生まれ、高貴な精神を保つことができたといってよいだろう。

ともあれ、今年もまた、私は東京国際フォーラム近くのホテルに泊まりこんで、朝から夜中までコンサートを聴き続けることになる。だんだんとわくわくしてきた。

 来年のラ・フォル・ジュルネはマーラー特集だということで、一時は大いに落胆した。このブログにも何度か書いたとおり、私は筋金入りのマーラー嫌いなので、こんなつらいことはない。が、のちに聞いたところによると、マーラーだけでなく、ワーグナー、ブルックナー、ブラームス、リヒャルト・シュトラウスなどの作曲家が特集されそうだという。そうだとすれば、まさしく私の大好きな作曲家たちだ。拙著『ヴァーグナー 西洋近代の黄昏』で扱ったのも、これらの作曲家たちだった。来年が今から楽しみだ。

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音楽」カテゴリの記事

コメント

樋口さん、こんばんは。
私も、特にショパンが好き、と言う訳ではありません。
どちらかと言うと管弦楽が好きだったので、ピアノの独奏はあまり感心が無かった、と行った方が正しいでしょう。
まだチケットは、何も手配していませんが、そろそろなんとかしないといけませんね。
私もシューマンとか、メンデルスゾーンあたりを狙おうかと思っています。

もしかしたら、会場ですれ違うことが、あるかも知れませんね。

投稿: ムーミンパパ | 2010年4月15日 (木) 22時40分

ムーミンパパ様
コメントありがとうございます。
私と嗜好が似てられるようですね。心強く感じます。
メンデルスゾーン、シューマンに関して、かなり良い演奏が期待できそうです。早めに手配なさるほうがよいかもしれません。
コルボの『パウロ』はきっと素晴らしいと思います。これについては、Aホールですので、しばらく売り切れないかもしれませんが。

投稿: | 2010年4月16日 (金) 14時56分

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