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『自慢がうまい人ほど成功する』(PHP新書)発売と『ヴァーグナー』の産経新聞書評と!

456977783x  拙著『自慢がうまい人ほど成功する』(PHP新書)が発売になった。

 日本では自慢は悪いことと思われている。自慢をする人は嫌われたり、陰口を言われたりする。だが、考えてみると、成功している人の多くが自慢をするではないか。私の知人の有名人にも、話をすると半分以上は自慢だという人が少なくない。もしかすると、成功した人が自慢をしたくなるということ以上に、自慢をするタイプの人が成功するといえるのではないか。自慢が上手なために、上司に認められて仕事を与えられ、それをしっかりこなすことで本当に出世したのではないか。

 だとすると、悪いのは自慢ではなく、下手な自慢ではないか。悪いのは下手な自慢であって、自慢そのものが悪いわけではない。

 そのような理念に基づいて、自慢の効用、下手な自慢を上手な自慢にするテクニックなどを記したのが本書だ。「日本人よ、もう少し自慢しようではないか」というメッセージを伝え、そのための方法を書いた。

 実は、私はかなり謙虚な人間であって、あまり自慢をしない。だが、そのためにずいぶん損をしてきたような気がする。そこで、あるとき自慢の大事さに気づいて、それ以降、周囲の人の下手な自慢と上手な自慢を観察してきた。それをまとめたのが本書だ。

 私はこの本を数年前のベストセラー『頭がいい人、悪い人の話し方』と同じパターンで書いた。つまり、あちこちにいる下手な自慢をする人の滑稽な様子を具体的に描き、それに対してどのような対応をすればよいのか、その下手な自慢を上手にするには、どのようなテクニックを用いればよいのかを説明した。下手な自慢をする人を思い出しながら笑って読み、そうするうちに自慢のテクニックが身につくように工夫している。

 そして、またこれを私としては観察の書だとも考えている。『頭がいい人、悪い人の話し方』も、私としては、フランス文学史に残るラ・ブリィエールの『人さまざま(レ・キャラクテール)』やフローベールの『ブヴァールとペキシェ』のような人間観察の本を書きたいと思って書いたのだった。今回も、滑稽ながらも人間的な人々を描こうと思ったのだった。

 ただ、ちょっと後悔しているのは、まるで自己啓発書のようなタイトルになってしまったこと。実を言うと、そもそも私は「成功する」という言葉そのものが好きではない。「別に成功しなくてもいいじゃないか。人間、成功をめざして生きるべきではない」と思っている。私は、『自慢の下手な人、上手な人』というタイトルのつもりで書いた。編集者と相談して最終的にタイトルを決めるとき、『自慢がうまい人ほど成功する』ほうが売れるといわれて、その気になった。売れてくれればいいのだが・・・

 

931893  ところで、本日(4月18日)付けの産経新聞の書評欄に『ヴァーグナー 西洋近代の黄昏』が取り上げられている。「ワーグナー以前と以降のヨーロッパ精神、文化のあり方にも考察を広げ、クラシック音楽を通じての文化論としても読める」「クラシックファンならずとも、新しい示唆が得られる」として、かなり好意的に紹介していただいているので、大満足。これについても、もう少し売れてくれると、うれしいのだが。

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コメント

自慢って、楽しいですし、堂々とやっていいのですよ、と言われるとなんだか嬉しくなってしまいます。
しかも「うまく」自慢する、というところが奥が深いと思います。
浅はかな、ハタ迷惑な自慢なら出会うことは多くても、
うまい自慢、この人なら成功して当然だなと思わせてくれるような自慢というものには、意外とめったに出会わない気がいたします。

また、今回の記事の中の、「そもそも私は「成功する」という言葉そのものが好きではない」というお言葉に、共感いたしました。

投稿: ふくふきママ | 2010年4月19日 (月) 20時34分

ふくふきママ様
コメントありがとうございます。
実は、以前、「日本人はもっと自慢をするべきだ」という趣旨の本を出したのでした。が、まったく売れませんでした。編集者が言うには、まだまだ自慢に対する抵抗が強すぎるとのこと。今回、二度目の挑戦です。今度こそ、売れてほしいのですが。そして、日本が楽しい自慢のできる社会になると嬉しいと思っています。よろしかったら、是非立ち読みでもしてください。
ざっと読んでいただければ、「成功」ということについての私のスタンスもわかっていただけると思います。
楽しいブログ、のぞかせていただきました。

投稿: | 2010年4月20日 (火) 11時57分

5月1日朝、出勤途上の車中、NHKラジオで樋口さんのトークを拝聴。久々に“共感”という言葉を思いました。樋口さんの小論文の書き方には助けられてきましたが、樋口さんのことは何も知らなかった。タイ人の詐欺師の話、クラシック音楽のこと、論理性とは対極のような話題にまたひきつけられました。
私自身の喜びを語ると、自慢と非難された事は数々。でも上手く話せなかったのだと反省。『自慢がうまい人…』早速拝読し、自慢に再挑戦することにします。

投稿: ゆうけん | 2010年5月 1日 (土) 11時11分

5月1日朝、出勤途上NHKラジオで樋口さんのトークを拝聴。久々に“共感”という言葉を思いました。樋口さんの小論文の書き方には助けられてきましたが、樋口さんのことは何も知らなかった。タイ人の詐欺師の話、クラシック音楽のこと、論理性とは対極のような話題にまたひきつけられました。
私自身の喜びを語ると、自慢と非難された事は数々。でも上手く話せなかったのだと反省。『自慢がうまい人…』早速拝読し、自慢に再挑戦することにします。

投稿: ゆうけん | 2010年5月 1日 (土) 11時14分

ゆうけんさん
コメント、ありがとうございます。
先ほどNHKから自宅に戻り、一息ついているところです。あと少しして今度は明日からのラ・フォル・ジュルネに向けて泊り込むために都内のホテルに向います。
共感していただき、とてもうれしく思います。お二人の女性のおかげでとても楽しく話をすることができました。私はふだんは無愛想で内気な人間なのですが・・・
『自慢がうまい人ほど成功する』をお読みになって、自慢のテクニックを使っていただけると、うれしいですね。

投稿: 樋口裕一 | 2010年5月 1日 (土) 13時33分

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