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祭(ラ・フォル・ジュルネ)の後

 6日から仕事を再開しているが、まだ、ラ・フォル・ジュルネから日常に復帰できていない。今日も、もっと聴きたいと思って、メンデルスゾーンとシューマンのCDをあわせて40枚買ってきた! 

 本当に素晴らしい音楽祭だった。私はこれまで、ナントのラ・フォル・ジュルネはもちろん、バイロイト音楽祭、ザルツブルグ音楽祭などにも行ったが、それらと比べても日本の客のマナーは見事。スタッフもきわめて機能的。

 それに日本でのふだんの演奏会よりも、むしろ、演奏の途中でチラシをめくる音や飴玉を開く音に悩まされることが少なかった。身動きしたり声を出したりする子どもはいたが、子どもとともに楽しむというのが、ラ・フォル・ジュルネの理念であり、うるさいことは言わずにおおらかに自分なりに音楽を最高に楽しむというのが、この祭りのあり方なのだ。

 ラ・フォル・ジュルネは、まさしく世界に誇る音楽祭になったと、正直に思う。

 ところで、驚いたことに、私がラ・フォル・ジュルネの客をばかにしているという書き込みが、2ちゃんねるにあった。このブログをお読みになった人は、誰一人誤解するはずがないと思う。もちろん、まったく、そんなことはない。ここでも書いたとおり、客もスタッフも実に素晴らしいと私は思っている。念のため、ここに確認しておく。

1012  そんな余韻をまだ残したまま、かつての「ベ平連」の小中陽太郎さんに誘われて、今日は、中目黒教会に行って、すずきじゅんいち監督の記録映画「東洋宮武が覗いた時代」を見てきた。

 東洋宮武というのは、第二次大戦中、アメリカ国内の日系人が収容所に強制的に収容される中、自らマンダナ収容所に入れられながら、はじめは自作のカメラで隠し撮りをし、その後、公認されて、所内の様子を写真に記録した写真家。

 収容所の様々の状況が映画の中で語られた。屈辱的な眼にあう日系人。しかし、中には、それまでの苦しい生活から逃れられて幸せに思う人もいる。子どもたちはけっこう生活を楽しんでいる。大人たちも、必死で日常生活を楽しもうとする。日系人に同情して手を貸してくれるアメリカ人も居る。悲惨なだけではないところがいい。それだけにいっそう、リアリティがある。多面性がある。

 アメリカから合衆国に忠誠を誓って米兵として徴兵に応じるかどうかを迫られ、日本人の中で対立が深まる様子などが、淡々と語られる。そして、そこでも、東洋宮武の写した写真が次々と映し出されていく。

 素晴らしい映画だった。

 日本文化の中で育ちながらも、そこから切り離されて別の国の中で生きることになった人々。国民国家という制度に翻弄された人々といってもいいだろう。国際関係のひずみを最も過酷に反映されるのがいつの時代も移民たちなのだ。その移民たちの姿を、悲惨さだけでなく、様々の面から描いて、まさしく、あれこれと考えさせられる映画だった。

 ナチスによるユダヤ人収容所とアメリカの日系人収容所との違い、アメリカ国内の西洋人と東洋人の扱いの違いなども、考えさせられた。

 収容所内では、経済生活、文化生活はどうなっていたのか。収容所ないでお金は使えたのか、朝鮮系の人々、アメリカ人とのハーフ(映画の中でそれらしい人々がかなり映し出された)はどのような扱いだったのか、若者の恋愛はどうだったのかなど、気になった。

 映画の後、関係者の話を聞き、その後、エビスガーデンプレイスで懇親会。同じように収容所にいた経験のあるペルー日本人移民の坪居壽美子さんもおられた。女優の榊原るみさん(すずき監督の奥様)、「棄民たちの戦場」を書かれた橋本明さん、東南アジアの人々の生活を描く映画監督である瀬川正仁さんとも話しをした。

 

315bnpb57vl  ところで、昨日、ジャン・リュック・ゴダールの『気狂いピエロ』のDVDを久しぶりに見た。ゴダールは、学生時代、パゾリーニとともに大好きな映画監督だった。しばらく前、これも久しぶりに『勝手にしやがれ』を見て感動した。当時、『気狂いピエロ』はもっと好きな映画だった。

 ところが、あまりおもしろいと思わなかった。確かに、色使いはすばらしい。美しいところ、気の効いたところはたくさんある。が、全体的に、わくわくしない。

 当時、あれほどわくわくしてみたのに、それがない。斬新な手法が今では当たり前になってしまったのか。それとも、私のほうが変わってしまったのか。

 あと少し、ゴダールの映画を見てみようと思う。

03260361  なお、拙著「1分で話をまとめる技術」(青春文庫)が発売になる。短く話をすることの大事さ、短くても知的に話す方法を解説している。

 実は私は話が短い。スピーチを頼まれても、ほかの人より短い。結婚式のスピーチなど、私の経歴の紹介よりも、私のスピーチのほうが短いことさえある。その方法をわかりやすく書いている。コンビにでもおかれるそうなので、是非手に取っていただきたい。

456977783x  同時に、先ごろ発売された『自慢がうまい人ほど成功する』(PHP新書)は、実は自信作だ。世の中にあふれる下手な自慢を示し、それをどうすれば上手な自慢になるか、以下に自慢をすることがこれからの社会で大事なのかを説明した。これも呼んでいただければ、きっと楽しむことができ、また役にも立つと思う。これについてもぜひとも手に取っていただきたい。

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