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音楽劇コンサート「カルテット」に刺激を受けた

 6月23日、ルーテル市谷センターで、音楽劇コンサート「カルテット」を見てきた。鬼塚忠原作の小説「カルテット!」に基づくコンサートだ。映画化も決定しているという。一言で言って、とても強い印象を受けた。このような企画を私のゼミでできたら、どんなにいいだろうと思った。

 小説は少し前にいただいて読んだが、一言でまとめると、崩壊した家族が、カルテットを組んで演奏することによって絆を回復する物語。あえてありきたりのストーリーにして、そこに様々な葛藤を描いていく。今回の音楽劇は、その最後の場面を中心に、家族が崩壊を乗り越える演奏会の場面という設定。フォーレの「シシリエンヌ」、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」など親しみやすい曲が、ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、フルートで演奏される。あえてありきたりのストーリーにしていたのは、このような狙いがあってのことだったか!と、今さらながらに気づいた。複雑なストーリーだと、このような音楽劇コンサートにしても観客に伝わらない。小説を読んだ人も読んでいない人も、ともにきちんと理解できる舞台になっていた。そのような仕掛けも実に見事。

 役者が全員自分で楽器を演奏する。オーディションで役者を選んだとのことで、23日に上演したのは、全員が音楽コンクール上位入賞者だったり、テレビの音楽番組などで活躍する人だったようだ。それにしても、楽器も弾けて、ビジュアル的にも役柄にぴったりの人間が、よくも存在したものだ!

 やはり図抜けていたのは、息子役の中学三年生、山根一仁君。全日本音楽コンクール中学生の部の第一位だという。モンティノ「チャルダーシュ」は十分に聞かせる音楽。チェロの諸岡由美子さんも、バッハの無伴奏組曲の第一番のプレリュードを演奏したが、一つの演奏として見事。父親役の谷真人さん、娘役のyumiさんも、しっかりと、魅力的に役を演じていた。

 ただ、音楽をリードする人がいなかったようで、数人のアンサンブルになると、合わせているだけになって、音楽のあり方があやふやになってしまう。演奏者の誰かがしっかりとリードして音楽を作るか、外部の誰かに指導を受けるかすると、もっと音楽が生きてくるはず。最高レベルの音楽を求めて演奏会通いする私としては、その点が残念。が、それができれば、もっと素晴らしい音楽劇コンサートになっただろうと思う。

 しかし、それにしても、この音楽劇があちこちで上演され、もっと多くの人がクラシックに親しむようになったら、どんなに素晴らしいだろう。小説と音楽劇コンサートという企画に脱帽。わがゼミで、この企画のお手伝いはできないか、本気に考えたくなった。今度、学生たちに相談してみよう。せめて、映画化の際には、エキストラとして出演させていただきたいものだ。ゼミ生も、そしてできれば私も!

 なお、鬼塚さんのご好意によって、このコンサートの配布物の中に、8月25日に行う私たちのゼミの企画による演奏会のチラシを加えてさせていただいた。朝になって急遽思いつき、車でチラシを運んだ。失礼な申し出を快く受け入れてくださった鬼塚さんに感謝!

 私たちのコンサートは、ピアノの新居由佳梨さん(伝説のヴァイオリニスト、イダ・ヘンデルのCDで伴奏者に抜擢された美貌のピアニスト!)、ヴァイオリンの江島有希子さん(若手の大注目演奏家)、ソプラノの三宅理恵さん(現在、注目を集めている歌手)という三人の美女の演奏で、ジブリの音楽と親しみやすくも芸術性高いクラシック音楽を、8月25日水曜日にHAKUJU HALLでお送りする。最高レベルの演奏によって多くの方を感動させられると信じている。是非、多くの方に来ていただきたいものだ。

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コメント

白寿ホールでのコンサートを堪能させていただきました。
お3人共美しくベテランの迫力であっというまのコンサートでした とても楽しかったでした。ありがとうございます。
先生の日記を読ませていただき 偶然わたしもコンサート劇『カルテット!』に伺い感動してきましたのでコメントさせてくださいませ。
わたしは個人的にチェロの諸岡由美子さんの演奏にとても感動し心を動かされました。 日本人離れした力強く深い音色と豊かな音楽性の諸岡由美子さんは素晴らしいチェリストでしたね。
久石譲さんのCDでお名前と演奏は聞いていましたが生演奏と実物は初めてでした。
超が付くほどの美人さんでしたね。
是非先生の次回のゼミで演奏していただきたい演奏家です。

投稿: 立花 茜 | 2010年9月 6日 (月) 06時19分

立花 茜 様
コンサートにいらしていただき、ありがとうございました。
また、楽しいコンサートを企画したいと思います。ぜひまた、お越しください。
師岡さんのバッハの無伴奏、とてもよかったですね。全曲聴いてみたいと思いました。

投稿: 樋口裕一 | 2010年9月10日 (金) 09時06分

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