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関西での二つのコンサート

 昨日から関西に来ている。

 昨日(7月10日)は千里フィルハーモニア・大阪というアマチュア・オケの演奏を聴いた。アマチュアといってもセミプロといえるレベル。協奏曲がいくつか演奏されたが、ソリストにはワルシャワフィルのコンサートマスターと将来有望な若手が招かれている。ソリストの一人が私の高校時代の友人のお嬢さんなので、関西での仕事のついでに聴くことにした。

 まずバッハの2台のヴァイオリンのための協奏曲。指揮はすべての曲を通じて、守山俊吾。アマチュア・オケの指揮としては見事だと思った。ソロはピオトル・ツェルギエルスキーと中学生の藤本真理子。冒頭、オケとソロが合わないところがあったし、ちょっとチェンバロの音が大きすぎたが、全体的には大いに満足した。中学生、なかなかやる。音がきれいなのがいい。オケの音も、弦を中心に立派。

 メゾソプラノのアリア2曲(これは、私には正直、聴くのが辛かった)をはさんで、 前半の目玉であるブラームスの二重協奏曲。ソロはヴァイオリンの森田玲子とチェロのカジミール・コシュラーチュ。森田さんもまったく遜色がなかった。ただ、チェロの響きが弱いと思ったら、どうやらこのチェリスト、自分でチェロを作ることに熱中しているそうで、この日使ったのも自ら手作りしたチェロだとのこと。もっといい楽器を使ってほしかった。とはいえ、しっかりとブラームスの重厚な協奏曲を聴くことができた。

 後半はベートーヴェンの三重協奏曲。ピアノは堤紗和、チェロは三宅依子、ヴァイオリンはツェギエルスキー。ピアノもチェロも、ワルシャワフィルのコンサートマスターに負けていない。それもそのはず、ピアノの堤さんはブルガリアなど活躍している人。ピアノも音の粒立ちがきれい。これはチェロが最も活躍する曲だが、チェロの三宅さんものびのびとしていて、とてもよかった。楽しめた。ただ、やはりこれはベートーヴェンの割には楽曲として弱いと思った。

 7月11日は、雨の中を京都コンサートホールで、山下一史指揮、京都交響楽団によるヴェルディのレクイエムを聴いた。午前中は大雨だったが、少し小ぶりになっていて助かった。帰りに買い物をして、つい先ほど宿泊所に帰り着いたところ。

 合唱は初めのうち、音程が取れずに、ちょっともたついていたが、後半持ち直した。オケは十分にヴェルディの音を出していた。指揮はちょっと丁寧すぎるのではないかと思った。とりわけ「怒りの日」の部分はもう少しメリハリをつけて、ドラマティックにやってもよいのではないかと思ったのだが、最後にはしっかりと納得させてくれた。堂々たるヴェルディだった。

 とりわけ独唱陣(ソプラノ並河寿美、メゾ福原寿美江、テノール松本薫平、バリトン三原剛)が充実していた。4人とも文句なし。とりわけ、ソプラノの並河寿美さんとメゾの福原寿美江に感動した。二人とも音程がしっかりし、強靭でしかも潤いのある声。細かいところまで声をコントロールしきっている。宗教曲にはなくてはならない二人なのだろう。

 帰りにちょっと思ったこと。東京に比べて、客の歩みが遅い。みんなでしゃべりながらのろのろ動く。ホールの出口にたどり着くまでにかなり時間がかかった。曲目が曲目だけに、客にも演奏者の関係者が混じっていて、知り合いが多いのだろう。雨のせいもあるだろう。が、それにしても極端。

 一人で聴きに来た私はいらいらしたが、考えてみるに、こちらのほうが当たり前なのかもしれない。東京は、終演後もさっさと帰途に着く。もしかしたら、そのほうが異常ではないかと思い当たった。考えてみると、パリもやはり同じような雰囲気だった。もしかしたら、京都やパリのような文化の豊かなところほど、ぐずぐずするのかもしれない。ま、もちろん、ちょっと思っただけで、何の証拠もないが・・・

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