« 多摩フィルの見事な演奏に感嘆! | トップページ | ロイヤルオペラ『椿姫』 二人のヴィオレッタを見られて得をした »

マスネー作曲の『マノン』のネトレプコに酔った!!

 本日(9月11日)東京文化会館で、英国ロイヤルオペラ公演、マスネー作曲の『マノン』を見てきた。なにはともあれ、アンナ・ネトレプコの歌唱に酔った。

 先に言っておくが、実は私はこのオペラが特に好きなわけではない。ドイツ音楽好きの私にとって、まるで少女マンガのような「べたな」筋立ては、最も苦手な部類に属する。昔、アベ・プレヴォ原作の小説を読んだが、それも面白いと思わなかった。バレンボイム指揮、マノンをネトレプコ、デ・グリューをビリャソンが歌った『マノン』のDVDは買ってうっとりとして見たし、クラシカ・ジャパンで放送された同じネトレプコの歌う『マノン』も楽しんだ。しかし、それらはすべて、ネトレプコにひかれて見たにすぎない。だから、あれこれ言う資格はない。私は、ひたすらネトレプコ目当てに見に行った。

 指揮はアントニオ・パッパーノ、演出はロラン・ペリー。ネトレプコと騎士デ・グリューを歌ったマシュー・ポレンザーニが二人ともまさしく現在考えられる最高の配役だと思った。ともかく、ネトレプコが凄い。容姿も申し分なし。が、声も容姿以上の見事さ。

 芯の強いしっかり通る声で、しかも透明。高音も澄み切っているし、そうでありながら、頭にガンガン響く甲高い声ではない。高貴な感じがする。色気はあるが、ルネ・フレミングのような官能的な色気ではない。清潔感が漂う。

私はナマでネトレプコを見るのは、メトロポリタン公演の『ドン・ジョヴァンニ』以来。当時は、ネトレプコを容姿のために売れている歌手だとばかり思っていた。ところが、第一幕が始まったとたん、ネトレプコ演じるドンナ・アンナに圧倒された。何人もが歌っているのに、ネトレプコの声ばかりがしっかりと聞こえていた。しかも、最高の美声で、音程もしっかりしている。それ以来、私は大ファン。DVDが発売されるごとに買っている。

 ただし、チケットを買うタイミングが遅れて、せっかくのネトレプコなのに、3階席しか取れなかった。生まれて初めてオペラグラスを持って行って、必死にネトレプコを追いかけた。

 二人の主役以外の配役も申し分ない。伯爵のニコラ・クルジャルがフランス語の発音がきれいで、とてもよかった。もしかして、フランス人なのか。レスコーのラッセル・ブラウンはじめ、わき役に至るまで、まったく文句なし。もちろん、パッパーノの指揮もいい。

マスネーの曲もなかなかいい。ワーグナーやシュトラウスのようには魂はふるえないが、心地よい。ただし、さっきも言った通り、私はこのオペラを論評できるほど知らないので、このくらいにする。明日もまた、ロイヤルオペラの『椿姫』。原稿を今のうちに書かないと・・・

ちょっと愚痴を。

パソコンを変えて、WINDOWS7になった。XPに慣れた人間には使いづらいこと、この上ない。これまで普通にやっていたことができない。いや、きっとできる方法があるのだろうが、すぐにはわからない。原稿を急いで書かなければいけないのに、いちいちひっかかる。機能が増えて複雑になって、私のようなITを得意としない人間にはどんどんと使いこなせなくなっているように感じる。

|

« 多摩フィルの見事な演奏に感嘆! | トップページ | ロイヤルオペラ『椿姫』 二人のヴィオレッタを見られて得をした »

音楽」カテゴリの記事

コメント

樋口先生、私も同じ会場におりました。
5階席でしたが・・・。

プッチーニの「マノン・レスコー」は観た事がありましたが、マスネ版は初めてでした。

私もストーリーが陳腐に思えて、あまり好きではなかったのですが、ネトレプコの素晴らしさに、マノンというキャラクターが好きになりました。

歌唱力は言うまでもなく、幕毎に演じ分ける演技力にも魅了されました。
しかもあの美しさ・・・。

私もネトレプコのファンになりました!
来年のメトの来日公演も、是非聴きに行きたいです。


投稿: ぷりん | 2010年9月12日 (日) 02時51分

白藍塾では娘がお世話になっております。

私も、野球でお腹を空かして帰ってくる娘の
夕ご飯を1時間待たせて、昨日の「マノン」観てまいりました。

私もネトレプコ狙いで行ったのですが、
オケの第1音から、惹きこまれました!

続くソリストの重唱も素晴らしく、期待以上の舞台でした。

ネトレプコも歌い込むほどに、さらに聴かせてくれて、うっとりです。

新演出もなかなかよかったと思います。
やはり、楽しませてくれたのは教会のシーンでしょうか。

投稿: bearmama | 2010年9月12日 (日) 05時26分

ぷりん様
おっしゃるとおり、ネトレプコの演技力もすばらしいですね。
バレンボイム指揮のベルリンのDVD,ご覧になりましたか?
マリリン・モンローを意識した演出ですが、それも、うっとりするような美しさと演技力でした。
きっと、もっと成長するのでしょうね。楽しみです。

投稿: 樋口裕一 | 2010年9月13日 (月) 00時50分

bearmama様
お嬢様が白藍塾に入会していただいているとのこと、ありがとうございます。
『マノン』は、私も教会の場面に最も感動しました。かなり真面目な男としましては、デ・グリューの苦しみがよくわかります。しかも、ネトレプコのような魅力的な女性を前にしているのですからね。宗教と官能と懊悩。それらがうまく表現されていると思いました。

投稿: 樋口裕一 | 2010年9月13日 (月) 00時54分

Anna Netrebko Fun Club を正式に立ち上げたいと願っております。Anna から は色紙に 『Anna Netrebko Fun Club』と書いて頂いたものもございます。これは2009年ウィーンで彼女の『ルチア』を三回観に行った折、彼女から頂いた物です。今回の『マノン』は14日と17日に観に参ります。試しに今回は6人でお揃いのTシャツを作りました。一つはアンナが金色のドレス、一つはマノンのウィーンでのマノンでのドレス。背中は彼女のサインです。いかかでしょうか?今年は4−5月に彼女の『清教徒』とガランチャの『カルメン』(この時のミミがネトレプコ)を観に行きましたが、『カルメン』のガランチャも『清教徒』のエルヴィーラもキャンセル。ただアンナはミミを見事に歌って下さいました。今年は11月にアンアの『ドン パスクワーレ』ガランチャの『カルメン』など9つのオペラを観にニューヨークに参ります。是非、Anna Netrebko Fun Club in Japanを応援してくださいません。いまの所私が代表をしております。龍 慶子 拝(医学博士)

投稿: 龍 慶子 | 2010年9月14日 (火) 08時55分

龍 慶子 様

拙ブログにコメントをお寄せいただき、ありがとうございます。
ブログにも書きましたとおり、ネトレプコは大好きです。
これまでシュヴァルツコップ、ジェシー・ノーマンにしびれて聴いてきましたが、今はネトレプコが一番です。イタリアものを苦手としていた私にイタオペの世界に導いてくれているのがネトレプコです。
ただ、実は拙ブログで少し前からヴァイオリニストのネマニャ・ラドゥロヴィチのファンクラブを作るための呼びかけをしています。そのような状況ですので、ほかのファンクラブに色気を出している場合ではないと考えています。ネマニャのファンクラブだけで、大変な状況ですので。
そのようなわけで、残念ながら、ネトレプコのファンクラブはとりあえず、遠慮しようと思います。ネマニャのほうが片付いたら、また考えるかもしれません。ご容赦ください。
ネトレプコのファンクラブのご成功をお祈りします。

投稿: 樋口裕一 | 2010年9月14日 (火) 22時32分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/532807/49419040

この記事へのトラックバック一覧です: マスネー作曲の『マノン』のネトレプコに酔った!!:

« 多摩フィルの見事な演奏に感嘆! | トップページ | ロイヤルオペラ『椿姫』 二人のヴィオレッタを見られて得をした »