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ヤンソンス指揮、コンセルトヘボウ管弦楽団、大満足!

 20日、サントリーホールで、ヤンソンス指揮、コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏を聴いた。圧倒的名演! 実は、ヤンソンスは存命の人の中では最も好きな指揮者。期待していたが、期待通り、いや期待以上だった。

 曲は、まず「ウィリアムテル」序曲。通俗曲だが、これがまずすごかった。なんときれいな音! ヤンソンスが自由自在にオケを操り、オケは最高の音でそれにこたえる。通俗曲が、研ぎ澄まされ、至高の芸術作品になる。が、いたずらに高尚にしているのではなく、わくわく感があり、よい意味での通俗性を保っている。そこが凄い。単に高尚な音楽にするだけなら、一流の指揮者ならできるだろうが、高尚な通俗曲にしてみんなを楽しませることは、だれにもできることではない。

 二曲目は、ギム・シャハルのヴァイオリンによるメンデルスゾーンの協奏曲。細身で研ぎ澄まされた音で、かなり知的なアプローチだが、そこに熱いものがある。メンデルスゾーン特有の典雅でありながらも人生の深みが垣間見える音楽を、とても美しく表現していると思った。

 ギル・シャハムはバッハのパルティータ3番から2曲をアンコール。ガボット・アン・ロンド、それからプレリュード。私はとりわけ、プレリュードの陰影に感動。

 後半はブラームスの交響曲第4番。冒頭のすすり泣くようなメロディから、もう最高のブラームス。まぎれもなくブラームスの音。しかも、洗練され、歌い、ロマンティックにうねる。私の大好きな第一楽章の最後の部分の盛り上がりは見事。構築がしっかりとなされ、一つ一つの音が美しい表情をもち、この上なく巧みに展開されていく。

 アンコールはハンガリー舞曲と、最後は『アルルの女』の「ファランドール」。これも本当に見事。下卑たところが全くなく、育ちがよく、しかも楽しい音楽。まさに最高!!

 

 先日の、ウェルザー=メスト+クリ―ヴランドも見事だったが、やはり私はヤンソンスにはもっと感動した。

 たった一つ残念だったのは、ブラームスの第4番が終わるやいなや、汚い声でブラヴォーを叫んだ人間がいたこと。せっかくの素晴らしい音楽を台無しにしてしまった感がある。本人はどんなつもりで叫んでいるのだろう。せっかくの余韻がぶち壊すのが楽しいのだろうか。

 7時半に始まったので、帰宅が遅くなった。明日に備えて、そろそろ寝なくちゃ…

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コメント

私もこの演奏会に参加していました。先生のコメントに納得です。確かに余韻に浸れませんでした。実は、京都、名古屋にも行っていましたが、ブラボーと叫ぶのが好きな人がいるような気がします。演奏は甲乙つけがたいですが、初めてのサントリーホールでしたので、ホールの音響効果にびっくりしました。

投稿: たがの | 2010年11月21日 (日) 08時39分

たがの様
京都、名古屋にも行かれたのですか! 
あの無神経なブラヴォーさえなければ、最高だったんですけどね。あの人たち、きっと暴走族と同じで、みんなの神経を苛立たせることで自己主張しているのではないでしょうか。そうとしか思えません。
が、それにしても、すばらしい演奏でした。京都は京都コンサートホールでしたか? 私も何度か行きましたが、確かに音響面ではよくないですね。サントリーホールのほうが総じて良いのは間違いないでしょうね。それにしても、あのような演奏を3回聴けるなんてうらやましい!!

投稿: 樋口裕一 | 2010年11月22日 (月) 09時33分

樋口さん、お久しぶりです。
ブルックナー好き中学生のたくぽんです。

サントリーでの演奏会にいらっしゃったのですね。
ヤンソンスのブラームス、以前オスロ・フィルとのCDを聴いた際、平板でつまらない印象を抱いたので、良くないのではと予想していましたが、名演だったようで何よりです。オケの力も大きいでしょうね。

私は名古屋公演を聴いてきましたが、期待に違わぬ充実振りで、樋口さんと同じく大満足でした。
ヤンソンスのサービス精神溢れる指揮も楽しめましたが、特にコンセルトヘボウ管の絶美の音色に酔いしれてきました。
詳しくは私のブログにありますが、特に素晴らしかったのは一曲目の序曲 レオノーレ第3番。正直これだけでお腹一杯になりました。勿論ヤナーチェク、チャイコフスキーも良かったですよ。

10月のアーノンクールの「天地創造」の超名演に続き、11月もプレートル指揮ウィーン・フィル、メータ指揮イスラエル・フィルと、世界の名門楽団を次々と聴くことができました。特にプレートルの超人的な「英雄」には感服しました。

なお、12月にはヨーロッパにホームステイに行くのですが、そのついでにゲルギエフ指揮ベルリン・フィルを聴きます。今から楽しみでしかたありません。

投稿: たくぽん | 2010年11月24日 (水) 17時25分

たくぼん様
名古屋でも、コンセルトヘボウの音色は素晴らしかったでしょうね。ブログ、読ませてもらいました。詳細な報告のおかげで、様子がとてもよくわかりました。
ところで、先日紹介してもらったブロムシュテットのブラームスの1番のこと、そして、それを中学生に紹介してもらったということ、ネット上のある雑誌のコラムに書きました。書いているだけで、一度も見たことがないので、どこに出ているのか知らないのですが。
ときどき、ブログを読ませてもらいます。

投稿: 樋口裕一 | 2010年11月27日 (土) 09時34分

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2010年11月17日(水) 18:00開場 18:45開演 @愛知県芸術劇場  [続きを読む]

受信: 2010年11月24日 (水) 17時33分

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