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日生劇場『オルフェオとエウリディーチェ』は歌に不満を感じた

 今日(11月13日)、日生劇場で、グルックのオペラ『オルフェオとエウリディーチェ』を見てきた。青少年のための日生劇場オペラ教室と銘打たれているが、青少年はほとんど見かけなかった。大半が高齢者。今日は3日目なので、これまでは青少年が対象だったのだろうか。

 指揮は広上淳一、演出は高島勲、読売日本交響楽団。今日歌ったのは、オルフェオが手嶋眞佐子、エウリディーディーチェが佐藤路子、アモーレが佐藤優子。

 シャトレ劇場でのラモー作曲の『レ・パラダン』(DVDにもなっているし、日本公演も行われた)がこのタイプの演出の最初だったのかもしれない。舞台上で、ストーリーとは直接関係のないダンスが大活躍する。ダンスは広崎うらん振付で6人の男性ダンサーによる。

 音楽を目的に足を運んだ人間としては、いちいちダンスが入るのはうるさい気もするし、単調になりがちな古い音楽を少しでも退屈させまいとしてダンスを入れているのが見え見えでちょっと不愉快。とはいうものの、正直言って、音楽だけだと、私もやはり退屈を感じる。それに、グルックが活躍していた当時、バレーが入るのが当然だったのだろうから、これもいいだろう。

ダンスについては、私は全くの門外漢なので何とも言えないのだが、見ていて楽しかった。実は、歌よりもずっとダンスのほうがよいと思うところもたびたびあった。

 広上淳一の指揮と読売日響はとてもよかった。現代楽器のグルックもいいなあと、改めて思った。音楽が実に安定している。音色も美しい。が、グルックは聴きなれていないので、私には、それ以上のことを言う資格はない。年のせいか、記憶が定かでないのだが、どうもこのオペラ、実演を見たのは初めてのような気がする。このごろ、映像で見たものと実演で見たものがごっちゃになって、かつて見たのがどちらだったかわからなくなることがある。これも情報時代ゆえの現象だろう。

 歌に関しては、かなり問題を感じた。とりわけ、主役の手嶋眞佐子はかなり苦しかった。風邪でも引いていたのか。声が出ないし、低音の音程が不安定。そのために平板でメリハリのない歌になっていた。本来、カストラート(去勢男声歌手)が男の凛とした大声のソプラノで歌ったものなので、もっとハリのある声で堂々と歌ってほしい。アモーレの佐藤優子も歌が少し苦しかったし、それ以上に、動きが様になっていなかった。専門のダンサーと一緒に動くと、身体表現の差があらわに出てしまう。エウリディーチェの佐藤路子が一番声は出ていた。

いずれにしても、歌手陣の不調のために、欲求不満が残った。

 

 今日はオペラに行ったが、ずっと大変な忙しさが続いている。9日のフランス大使館でのスピーチの後、翌10日にはJR東海の若手社員の研修で講演をした。11日は大学の授業の後、私のゼミを希望する学生の面接、その後は北海道から来た客との飲み会、12日はずっと授業・・・。

そして、明日は日曜日だが、多摩大学の第二回「私の志」小論文コンテストの表彰式。私はいちおう審査委員長ということになっているので、挨拶をしなければならない。そして、その後、オープンキャンパスで模擬授業を行う。

 そんなわけで、原稿がいつまでも出来上がらず、たまっている校正も進まずにいる。あちこちに迷惑を掛けまくりながら、音楽鑑賞をしている次第。出版社の人に私のブログを読まれたら、「忙しくて仕事ができないと言っているのに、コンサートうオペラにしょっちゅう行ってるじゃないか」と思われそう…

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