« ナント到着 | トップページ | ナントのラ・フォル・ジュルネ初日の訂正と追加 »

ラ・フォル・ジュルネ初日(2月2日)

 いよいよ2011年のナントのラ・フォル・ジュルネが始まった。

前に来たときは、初日はあまり盛り上がらず、「今年はダメかな」と思っていたら、だんだんと白熱した演奏が増えていった。が、今年は初日から、きわめて充実していた。

・ボリス・ベレゾフスキー(ピアノ)、ウラル・フィル、ドミトリー・リス指揮のブラームスのピアノ協奏曲第2番。

 まるでチャイコフスキーかラフマニノフのようなブラームスだった。全体を通す一貫したテンポがなく、部分部分がクライマックスになって、華やかな技巧が繰り広げられる。飛び跳ねるブラームスといった感じ。これはこれで好きな人が大勢いるだろう。実際、会場は大喝采だった。が、残念ながら、がっしりした構成のブラームスを好む私の好みではなかった。

・ロワール国立管弦楽団、ジョン・アクセルロッド指揮によるブラームスの交響曲第4番。Axelrodというのだから、きっとアクセルロッドと発音するのだろう。かなり若い指揮者に見えた。すばらしかった。大きな身振りでスケールの大きな音楽を作っていく。リハーサルが十分ではなかったようで、はじめのうちは指揮についてこれない団員がいたようだが、だんだんと合ってきた。ティンパニの使い方が実に独特。オケも実に柔らかい味を出していた。感動に身を震わせて聴いた。この指揮者、日本でも演奏するのだろうか。ぜひまた聴いてみたい。

l’Orchestre de la Residence de la Haye (エイ邸宅管弦楽団とでもいうのだろうか)によるネーメ・ヤルヴィ指揮のブラームスの交響曲第2番。

 本当に、ネーメ・ヤルヴィは一筋縄ではいかない指揮者だ。時々スコアのページをめくるだけでまったく手を動かさない。それでいて、鳴らすべきは鳴らし、最後にはともかく感動させる。アンコールとして、第四楽章の最後を再び演奏。が、今度は、もっといじって面白く聞かせてくれた。まさに、人を食ったようなおじさんだ。

・最後にシンフォニア・ヴァルソヴィア、ローザンヌ声楽アンサンブル、ミシェル・コルボ指揮によるブラームスのドイツレクイエム。いやはや、コルボの手にかかると、ブラームスもモーツァルトやフォーレのレクイエムと同じような、しなやかで信仰にあふれた音楽になる。第二曲の壮大で劇的な曲も、コルボにかかるとしみじみと深い音楽になる。ただ、私としては、第2曲はもっと大袈裟にもっと劇的に演奏してほしかった。とはいえ、心の奥深くに感動がずっしりと腰をおろした。

 初日は夕方に開始されるが、終わるのは深夜の12時近く。ホテルは会場のシテ・デ・コングレから徒歩5分くらいだが、帰り着いたのは、12時ちょっと前だった。シャワーを浴びてこれを書いたら、もう12時半。明日のために、もうそろそろ寝たい。ともあれ、これが5日間続くと思うと、実に幸せ。が、同時に、かなりしんどいなあ、と改めて思う。あまり根をつめずに聴こうと思う。

|

« ナント到着 | トップページ | ナントのラ・フォル・ジュルネ初日の訂正と追加 »

2011年ラ・フォル・ジュルネ」カテゴリの記事

コメント

orchestre de la résidence de la Hayeは「王都デン・ハーグ管弦楽団」とでも訳すべきもの。la Hayeはオランダの政治上の首都(行政府や議会などがある)でもう一つの首都アムステルダムは憲法上首都とされる。résidenceとは「王の住まうところ」の意味で、デン・ハーグの別名でもある。
p.s.チェロのお稽古はいかが?

投稿: 友人S | 2011年2月 3日 (木) 13時40分

友人S様

お久しぶりです。
さすが、何でも知っている友人Sさん。恐れ入りました。
時間がないので、何も調べずに書いてしまいました。
スーツケースの奥に仏和辞典を見つけて調べてみたら、
たしかに「la Haye」はデン・ハーグのことですね。
面目ありません。
チェロについても、期限なしの保留状態です。才能がなく、時間もなく、まったく上達せずで、状況が変わるのを待っているところ。まあ、自分で変えようとしなければ変わらないのは、
よくわかっているのですが・・・

投稿: 樋口裕一 | 2011年2月 3日 (木) 15時50分

樋口先生、ご機嫌、いかがでしょうか。エリシュカ指揮の東京フィルのコンサートのあと、山根さんの縁故で同席させていただきました。あまり喋るほうではないし、ご記憶にないかもしれません。

ジョン・アクセルロッド氏は、欧州で売れてきている指揮者です。カジモトにも、プロフィールが載っています。現在はかつて新日本フィルのアルミンクがいたルツェルン響を率いており、日本にも来たことがあります。

次の記事の「アレクサンダー・ジンディン」については、アレクサンドル(アレキサンダー)・ギンディン(ギンジン)とするのが一般的です。こちらも以前、日本で演奏したことがあり、私も聴いたことがあります。8年ほど前で、ラフマニノフの4番の初稿を日本初演したピアニストです。

投稿: アリス | 2011年2月 3日 (木) 17時11分

アリス様
もちろん、アリスさんのことは認識しております。あの後、あのかたがアリスさんだと知って驚いたのでした。
コメントと情報、ありがとうございます。
不明を恥じるばかりです。有名な人たちなんですね。
私は、音楽評論家でもなく、音楽ジャーナリストでもなく、
音楽好きのもの書きとしてこのブログに感想を書いてますので、
どうかご容赦ください。
今後ともよろしくお願いします。

投稿: 樋口裕一 | 2011年2月 3日 (木) 19時56分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/532807/50762667

この記事へのトラックバック一覧です: ラ・フォル・ジュルネ初日(2月2日):

« ナント到着 | トップページ | ナントのラ・フォル・ジュルネ初日の訂正と追加 »