日本に戻って、再びナントのラ・フォル・ジュルネを振り返る
昨日の夕方、無事、自宅に戻った。帰ってすぐから、届いていた仕事をせっせとこなし、疲れきって10時間近く眠った後、先ほど目を覚ました。
さっそく、ナントのラ・フォル・ジュルネのコンサートのベストテンを付けてみた。もちろん、これは私が感銘を受けた順であって、演奏の良しあしなどではない。だから、好きな曲かそうでないかによって順番はずっと異なる。
①シンフォニア・ヴァルソヴィア、ローザンヌ声楽アンサンブル、ミシェル・コルボ指揮によるブラームスのドイツレクイエム
ともあれ、凄かった、感動したとしか言えない。とりわけ最終日は至福の時だった。
②ポール・メイエ(クラリネット)、モディリアニ弦楽四重奏団によるブラームスのクラリネット五重奏曲
明晰で透明で凛とした演奏。新しいブラームス像だと思った。
③アンドレア・ヒル(メゾソプラノ)、ジャン・フレデリック・ヌーブルジェ(ピアノ)、モディリアニ弦楽四重奏団によいブラームスの「ヴィオラとメゾソプラノのための二つの歌」とピアノ五重奏曲
モディリアニ弦楽四重奏団が加わると、実に透明になる。本当に素晴らしいブラームス。
④デン・ハーグ王室管弦楽団 ネーメ・ヤルヴィ指揮によるブルックナーの交響曲第7番
しっかりとコントロールされながらもロマンティック。魂がしびれた。
⑤ロワール国立管弦楽団、ジョン・アクセルロッド指揮によるブラームスの交響曲第4番
スケールの大きな、しかも知的なブラームスだった。
⑥デン・ハーグ王立管弦楽団、ネーメ・ヤルヴィ指揮のブラームスの交響曲第2番
ヤルヴィの手練手管に圧倒された。
⑦ロマン・ギュイヨ(クラリネット)とプラジャーク弦楽四重奏団のよるブラームスのクラリネット五重奏曲
メイエ+モディリアニとは違った魅力。もっとずっとたくましく田舎的。だが、泣かせる。
⑧ピグマリオン合唱団と吹奏楽、ラファエル・ピション指揮。吹奏楽と合唱によるブルックナーのモテットなど
珍しい曲を、強靭で透明な合唱で聴かせてくれた。
⑨テディ・パパヴラミ(ヴァイオリン)、シンフォニア・ヴァルソヴィア、チチナゼ指揮によるブラームスのヴァイオリン協奏曲
パパヴラミというヴァイオリニストの特異な奏法と音色にしびれた。
⑩ルノー・キャプソン(ヴァイオリン)、フランク・ブラレイ(ピアノ)によるヒンデミットとシュトラウスのヴァイオリン・ソナタ
内面的で魂の奥底にしみこむシュトラウス。
番外
・ネーメ・ヤルヴィ指揮、デン・ハーグ王室管弦楽団によるワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死、それにルノー・キャプソン(ヴァイオリン)が加わってベルクのヴァイオリン協奏曲。
・イザイ四重奏団によるブラームスの弦楽四重奏曲第3番、第1番
ともあれ、今年も大変満足だった。東京のコンサートは現在、最終的な調整の時期らしいが、きっとナントでの成果を踏まえて、ナント以上の素晴らしいコンサートが企画されるだろう。それに期待したい。
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