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びわ湖ラ・フォル・ジュルネ始まる

 朝、東京の自宅を出て、京都経由で大津に着き、すぐにびわ湖ホールに出向いて、びわ湖のラ・フォル・ジュルネを見てきた。びわ湖の今年のテーマは「ウィーンのベートーヴェン」。

・シンフォニア・ヴァルソヴィア、チチナゼ指揮。アンヌ・ケフェレック(ピアノ)

 コンサートが始まる前に、アーティスティック・ディレクターのルネ・マルタン氏が登場して、東日本大震災の死者への追悼と、こんな中に来日してくれた演奏家への感謝の言葉を述べて、まずはバッハの「アリア」を演奏。

 その後、「コリオラン」序曲。チチナゼは実にしっかりとした指揮。大変好感を持った。いたずらに劇的にすることなく、しっかりとベートーヴェンの精神を示している。楽譜どおりにきちんと演奏すれば、おのずと劇的になると言いたげ。オケは実に柔らかい音で、美しい。私は「コリオラン」をもっと劇的な曲として知っていたが、これはこれでとてもよい演奏だと思った。

 次にアンヌ・ケフェレックのピアノが加わって、ピアノ協奏曲第4番。ちょっとこれは期待ほどではなかった。細かいニュアンスがちぐはぐな感じ。何か考えがあるのだろうが、何をしたいのは、私にはよくわからなかった。私の最も好きな第2楽章も、最も美しいリリシズムを感じるはずのところで、私は何も感じなかった。残念。これまで、ケフェレックのシューベルトやラヴェルには何度も感動させられてきたのだが、もしかしたら、ケフェレックはベートーヴェンに向かないのかも。少なくとも、私の好きなベートーヴェンには向かないのかもしれないと思った。

 ケフェレックがアンコールにヘンデルのメヌエットを弾いた。これは絶品!! 美しく、悲しく、心に染み入る。単純な音だが、そこのすべてが含まれる。ケフェレックはこうでなくっちゃ!

 なお、このコンサートが、私のラ・フォル・ジュルネの通算300回目の記念すべきコンサート(すべて有料コンサート)となった。2005年からフランスのナントと東京で、これだけのコンサートを聴いたと思うと、ちょっと感慨深い。

・ジェラール・プーレ(ヴァイオリン)、川島余里(ピアノ)で、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ7番と9番「クロイツェル」。

 昭和音大で教える教育者として有名な方だが、初めて演奏を聴いた。かなりのお歳だと思う。ウィキペディアで調べたら、1938年生まれとのこと。72、3歳ということになる。不思議な音色。年季の入ったいぶし銀とでも言うべき音。チェコの隠れた名指揮者として近年脚光を浴びているラドミル・エリュシカの指揮する音を思い出した。構成がしっかりして、しなやかで、深い心がこめられている。ただ、細かいところであまり美しくない音がしばしば聴こえた。もしかしたら、ちょっと技巧的に若いころほどではなくなったのかもしれない。が、アンコールにファリャのスペイン風舞曲を演奏したが、これは技巧も完璧で、メリハリも素晴らしかった。

・プラジャーク弦楽四重奏団、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第10番「ハープ」と第11番「セリオーソ」

 本日一番の演奏だと思った。どちらもプラジャーク弦楽四重奏団らしい演奏。完璧なアンサンブルなのだが、決して機械的な感じがしない。なんだか田園風景が見えてくるような音色。チェロ奏者を除いて、ほかの三人の容姿が似ていて、区別がつかない。兄弟かと思ったら、名前を見るとそうでもなさそう。そのためなのか、音色も似ていて、ごく自然に音が合っている感じ。

 これも誇張のない実にしっかりとして演奏。誇張がなくても、ずしんと魂に響き、心を高揚させる。ただ、ちょっとスケールの小ささを感じないでもなかった。もっと終楽章はスケール大きく演奏してくれるほうが、私としては好きなのだが。もちろん、これはないものねだりなんだけど。

 京都に戻って、いつもの美濃吉で夕食。「花懐石」を食べたが、牛の木の芽焼きとたけのこちりめん炊き込みご飯が絶品だった。「白味噌仕立て」も特別にお願いして、これも相変わらず絶品。いい音楽においしい夕食。つくづく生きていてよかったと思う。

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