わがゼミ主催のコンサート、大成功!
昨日(4月8日)、パルテノン多摩小ホールにおいて、多摩大学樋口ゼミ主催で、多摩音楽祭前夜祭、フィルハルモニア多摩、室内楽第一回定期演奏会を開いた。多摩フィルと私たちのゼミの協力によって来年にも多摩音楽祭を開くために、室内楽演奏会を続けていこうという第一回目のコンサートだ。余震があり、原発が相変わらず放射能漏れを起こしており、自粛ムードも続いている中、多くの人においでいただいた。一時は中止を検討したうえ、活動が十分にできなかったので、もしかして空席ばかりが目立つのではないかと危惧していただけに、ほっとした。
私は、多摩大学で授業を行った後、15時ころにパルテノン多摩に到着。すでに到着していた数人のゼミ生に合流。17時からは、今回のコンサートの運営にかかわる残りの10名ほどのゼミ生がやって来てスタッフとして裏方の仕事をした。18時30分開演。私自身もゼミ生も、もちろん難をいえばきりがないが、ともあれそれなりには働いて、コンサートを成功に導くことができた。もちろん、この成功は演奏家によるものだが、それを支えたゼミ生にも間違いなく功績がある。もちろん、多摩フィルの方々、そして、ステージマネージャーの穂刈さんの適切な指導があってのことだが、私たちの裏方仕事は、まずは合格だと思う。今後、コンサートの企画、運営のすべてをゼミ生が独力でやれるように成長していきたいものだ。
かくして本番。
わがゼミ代表の萩原誠子さんの挨拶に始まり、震災の犠牲者を思い描きながら、バッハの管弦楽組曲の「アリア」。そして、ヨハン・シュトラウスの「ウィーンの森の物語」へと入っていった。指揮は今村能(いまむら・ちから)さん。演奏は、高原久実さんを中心とした若い女性の多い多摩フィルのメンバー。今村さんと相談して、ウィーン、イタリア、ウクライナ地方を中心とした春をイメージした曲目を選んだ。
最初のうちこそ、少し演奏が硬かったが、コロラトゥーラ・ソプラノの森美代子さんが登場して「春の声」を歌ったころから、器楽メンバーもだんだんとほぐれてきて、しっかりとした演奏になってきた。森さんは、音程も正確で、かわいらしい容姿からは想像もできないような強い声の持ち主で会場を圧倒するのがよくわかった。
後半は、アイネ・クライネ・ナハトムジークに始まり、管楽器も入って「魔笛」から夜の女王の第一幕と第二幕の二つのアリア。いずれも日本人離れした声量と技術。会場内にビンビンと響き渡った。初めてこのアリアをこのレベルの演奏で聴いた人は、このアリアの凄さに圧倒されたのではないか。
こののち、チャイコフスキーの「アンダンテ・カンタービレ」、そして、リヒャルト・シュトラウスの「カプリッチョ」の導入の六重奏曲。この2曲は絶妙のアンサンブルだった。高原さんのヴァイオリンが素晴らしい。こういう曲では、第一ヴァイオリンが大活躍するので、どうしてもその音の美しさが全体の印象を決定する。もちろん、ほかのメンバーもしっかりと合わせている。有名オケのメンバーと比べてまったく遜色なし。今村さんの指揮も見事。今村さんが指揮をすると、音が生きて、細かいニュアンスが素晴らしくなる。全体の構成感もすばらしい。今村さんを音楽監督としたフィルハルモニア多摩、もっともっと知られていい存在だ。
帰りに多くの方が演奏会の素晴らしさを口にしてくれた。多摩大学学長室長の久恒啓一教授夫妻にもおいでいただいたが、満足してくださった様子だった。もちろん、演奏家たちも大満足。
世界的な有名演奏家による歴史的名演だけがコンサートではない。このような地元の人が一流の演奏をし、それを気軽に楽しむコンサートが大事だ。こうしたコンサートをたくさん開いてこそ、文化が豊かになり、人生が豊かになり、地域が活性化し、地域の人々の生活が楽しくなる。
演奏家やゼミ生とともに記念写真を撮るなどして、21時半ころにすべて終わって、完全撤収。家に帰って、猛烈に疲れきっている自分に気付いた。
次回は、5月20日に第二回の多摩フィルとの協力によるコンサートを行う。これからは、それに向けて活動をする必要がある。
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