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印象に残ったCD 美人ヴァイオリニスト、リチェルカール・コンソートなど

 ラ・フォル・ジュルネが終わってから、しばらくぼんやりしていた。音楽を聴く気持ちにもならなかった。

 が、やっと何枚かCDを聴いた。ラ・フォル・ジュルネの前に聴いていたCDについて語る気力もわいてきた。

その中で、最近聴いたCDのなかから気に入ったものをいくつか紹介してみよう。

033 ・リザ・バティシュヴィリのヴァイオリンによるシベリウスのヴァイオリン協奏曲。フィンランド放送交響楽団、指揮はサカリ・オラモ。

音楽ジャーナリストの渡辺謙太郎さんに教えてもらって聴いた。本当に素晴らしい。流麗で美しい。そして何よりも、切れが良くて清潔。素晴らしいテクニックだが、それをとても清潔に弾きこなす。とてもわくわくするような演奏。第一楽章後半と第三楽章は圧巻。とりわけ、高音の美しさは言葉をなくすほど。指揮もいい。

写真で見ると、先日、実演を聴いたヴィルデ・フラングにも勝る美人。こんなに次々と美人ヴァイオリニストが登場していいのだろうかと思ってしまう。

ついでに、フラングのシベリウス(ケルン放送交響楽団、トーマス・センデゴー指揮)と聴き比べてみた。これもとても好感が持てるが、バティシュヴィリを聴いてしまうと、切れの良さという点フラングにはちょっと物足りなさを感じる。

また、バティシュヴィリ演奏のベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲も聴いてみたが、これもとてもいい。第三楽章など、音の響きにわくわくする。ただ、ベートーヴェンにしてはあまりに流麗で、私の好きなベートーヴェンではなかった。ベートーヴェンに関しては、もう一人の美人ヴァイオリニスト、リザ・フェルシュトマン(ただ、この人は、噂によると写真ほどきれいではないというが)のほうが良さそう。残念ながら、フェルシュトマンのベートーヴェンの協奏曲のCDはまだ聴いていないが、ソナタを聴く限り、バティシュヴィリよりももっと切れが良く、もっと個性的。近いうちにこれも聴いてみよう。

278 ・ラシェル・コリー・ダルバのヴァイオリンによるイザイのヴァイオリン・ソナタ

 ついでに若手美人ヴァイオリニストを何人かまとめて聴いておこうと思って、このCDを見つけ出した。写真を見る限り、かなり若く、とんでもない美人。

 そして、聴いてみてびっくり。第一番を聴いて、その異様な迫力に圧倒された。表情豊かというのが、もっともこの演奏を表現するにふさわしいだろう。イザイの無伴奏の曲を実に的確に、揺るぎのないテクニックで弾きこなしているが、無機質になるのでなく、不思議な色気があるのを感じるのは、写真を見たせいだけではないだろう。音が色彩にあふれ、感情に彩られている。そして、そこに怖気のようなもの、悪魔的なものがある。さわやか系ではない異様な魅力を持ったヴァイオリニストだと思う。これからどんどんとCDが出ると思うので、もう少し聴いてみたい。

721 ・アガ・ミコライのソプラノ独唱によるシュトラウスの四つの最後の歌。ケルン放送交響楽団、指揮はカール・ソラック。

 私は実は「四つの最後の歌」マニアだ。ほとんどすべての録音を持っているはずだ。一枚だけ無人島にCDを持っていくとすれば、この曲かブラームスのクラリネット五重奏曲かで迷うだろう(ついでに言うと、「一組」だけ無人島にもっていくとすれば、迷わずに『トリスタンとイゾルデ』だ)。シュヴァルツコップに導かれてこの曲の虜になり、ジェシー・ノーマン、ルチア・ポップ、ヤノヴィッツ、トモワ=シントウ、モンセラット・カバリエ、ルネ・フレミング、エリザベート・メイヤー・トプシューなどの名演奏に心打たれてきた。なお、最後に挙げた北欧の歌手はあまり知られていないが、清楚で力強い歌が素晴らしい。

 そして、今度、もう一人の素晴らしい歌手を見つけた。それが、このアガ・ミコライ。未知の歌手だが、写真を見ると、もうそれほど若くなさそう。そうであるだけに、不思議な色気が漂う。ヴァイオリンにたとえると、ムターのような響きと言おうか。それがこの曲には実に合っている。迫力があり、ぐいぐいと豊かな肉感で迫ってくる。シュヴァルツコップを思わせるような歌い方(ミコライ自身が、シュヴァルツコップにこの曲を学んだことが、ライナーノーツに書かれている)だが、もっと太くて肉感的な美声なので、少し印象は異なる。

 先ごろ発売になったポリーナ・パスティルシャクの歌うこの曲も清楚で美しくて、なかなか魅力的だが、ミコライの演奏を聴くと、パスティルシャクは硬さと若さが目立ってしまう。

 

498  もう一枚、圧倒的名演と言えるものを入手した。フィリップ・ピエルロ指揮によるリチェルカール・コンソートのバッハ「ヨハネ受難曲」。あれこれと忙しくて、まとまった時間が取れずに、一部しか聴いていない。が、思っていた通り、圧倒的演奏。私は、ペルゴレージの「スターバト・マーテル」は、この団体による演奏がベストワンだと思っている。最近発売になったネトレプコの歌うこの曲も悪くないが、リチェルカール・コンソートのものとは比べ物にならない。いや、ペルゴレージに限らず、この団体のバロックの宗教曲はいずれも深い信仰にあふれ、慈しみにあふれている。そして、この「ヨハネ」もそのような独特の世界を作り出している。

 が、詳しくは全曲聴いてから語ろう。

 あすは北海道に向かう。もちろん、仕事。が、おいしいものが食べられるので、楽しみではある。

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