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アトリウム弦楽四重奏団の素晴らしいベートーヴェン

 5月30日、武蔵野市民文化会館小ホールで、アトリウム弦楽四重奏団のベートーヴェンの弦楽四重奏曲、第10番、第9番、第15番を聴いた。ロシア出身の若手の弦楽四重奏団だ。素晴らしい演奏だった。

 とはいえ、前半の10番と9番はちょっと不満が残った。10番の第3楽章だったか、バランスが崩れたと思ったのだが、気のせいだったか。それに、繊細に精妙に音楽を作ろうとしているようで、スケールの小ささが気になった。とりわけ、9番はもっとスケール大きく演奏してくれるほうが感動が大きいように思う。

だが、ぐんぐん良くなって、9番の第3、4楽章は緊密なアンサンブルが見事だった。

 そして、後半の15番。

これは、稀に見る名演奏だと思った。第一ヴァイオリンのアレクセイ・ナウメンコの音の精妙さ、音程の正確さが圧倒的。この曲は第一ヴァイオリンのヴィルトゥオーゾ的な旋律がふんだんに出てくるが、その弾きこなしが見事。ヴィブラートの少ない強くて透明な音でぐいぐいと聴く者の魂をひきつける。無駄が一切なく、虚飾も排し、ただひたすら精妙な音の力だけで聴く者を感動させる。

 この曲の演奏もスケールが小さいといえば小さいのだが、それ以上に、音の構築が見事で、スケールの小ささについて不満を感じる余裕がなかった。いや、スケールが小さいということは、むしろこけおどしがなく、音の微妙な響きで観客を納得させてしまっているということだ。このような音楽のつくりに納得させられた。

アンコールは知らない曲だった。何だったんだろう。とてもロマンティックな曲で、しみじみと良かった。アンコールの始まる前に、第二ヴァイオリンの奏者(だったっけ?)が曲目を言ったようだったが、ロシア訛りが強くてよくわからなかった。

 ともあれ、大満足。武蔵野市民文化会館のコンサートは、はずれがない。そして、時々、若手でありながら、こんな凄まじい演奏に出会える。身近にこんな音楽を味わえることこそが、文化的で豊かな生活だと思う。

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