« 東日本大震災復興支援スペシャルコンサート | トップページ | 東京のラ・フォル・ジュルネ 5月4日(2日目) »

東京のラ・フォル・ジュルネ 5月3日(初日)

 東京のラ・フォル・ジュルネ初日。きわめて充実していた。が、先ほど知人と焼き鳥屋で夜の食事をとって帰ったばかり。時間がないので、ごく短い感想を並べるだけにする。

・クレール・デゼールとエマニュエル・シュトロッセによるピアノ連弾で、ブラームス「16のワルツ」、「シューマンの主題による変奏曲 作品23」、「ハンガリー舞曲」1121

私はあまりピアノ曲を聴かないのだが、この二人の連弾は好きで、追いかけている。ワルツ、おもしろかった。さりげなく美しい。シューマンによる変奏曲は玄人向けの曲だと思う。ピアノが苦手な私はちょっと退屈だった。

ハンガリー舞曲はとてもよかった。大袈裟でなく、息が合い、親密な雰囲気が伝わってくる。連弾曲の魅力はこれだと思う。
 この二人は原発事故の後、真っ先に日本に来ることを表明してくれたという。感謝。

コンサートのあと、国際フォーラムの中でコーヒーを飲んでいたら、この二人が現れた。私は午後の講演のための、二人のスラヴ舞曲のCDを持っていたので、サインのお願いした。快く書いてくれた。

・プラジャーク弦楽四重奏団とツェムリンスキー弦楽四重奏団のメンバーによりシェーンベルク「浄夜」とブラームスの弦楽六重奏曲第一番。

とても良い演奏。「浄夜」は、流れがあくまでも自然。ただ官能性についてはあまり感じられなかった。個人的にはむんむんとした官能性が大好きなのだが。まあ、午前中でもあり、子供もたくさんいるところなので、やむをえない。ブラームスの弦楽六重奏曲のほうは情感あふれている。

周囲にも子どもが多く、がさがさしていて、集中できなかった。前にいる若いカップルも、そのすぐ横の初老の夫婦も演奏中にしゃべっていた。硬いことは言いたくないが、曲が曲だけに残念。

・フランク・ブラレイ(ピアノ)とプラジャーク弦楽四重奏団で、ブラームスのピアノ五重奏曲。

すばらしい演奏。ブラレイは力感に富んでいる。プラジャーク四重奏団との息もぴったり。構成もしっかりしていて、情感もたっぷり。現代の模範的な演奏だと思った。

プラジャークはすべてを難なくこなす。もう一つはっきりした個性がないことに物足りなさを感じないでもないが、これがこの団体の個性なのだろう。精妙しすぎず、上手すぎることもなく、しっかりと音楽を奏でてくれる。考えてみると、びわ湖からずっとプラジャークを追いかけている。

・ツェムリンスキー弦楽四重奏団で、ツェムリンスキーノン弦楽四重奏曲第一番とブラームスの弦楽四重奏曲第2番。

 老眼のせいか、プログラムを見間違えててっきりブラームスの1番と2番だと思っていた。ツェムリンスキーが始まったので驚いた。実に精緻。細身で透明で、切れ味鋭く、しかも美しい。モディリアニ弦楽四重奏団と同じような傾向。それはそれですばらしい。ブラームスの2番も一分の隙もない。きわめて現代的な演奏だが、決して嫌味はなく、ロマンが漂う。

 ただ、目の前に3歳くらいの子どもが座っていたために落ち着いて聴けなかった。かなりおとなしい子どもで、しかも必死に静かにしようとしているのだが、3歳児では、それは難しい。3歳の子供に、「浄夜」やブラームスの室内楽を聴かせても、つらいだけだと思う。周囲の観客は迷惑し、親自身も気を遣い、子どもも退屈な思いをする。もうすこし、曲目を考えて子どもを連れてきてほしいと思った。

・オーギュスタン・デュメイ(ヴァイオリン)と児玉桃でブラームスのヴァイオリン・ソナタ第2番と3

デュメイはさすが大物。ひきつける力を持っている。一瞬の間、ちょっとした「ため」、軽やかな美音、時に激しい音。それらを使いながら、スケールの大きな、しかし繊細な音楽を作り上げていた。第3番の第三楽章と第四楽章は絶品。児玉桃がのびのびと弾いている。これまでの知的なところに自由で伸びやかなところが加わった気がする。

この後、D1で「後期ロマン派を10倍楽しむ法」という講演をした。CDをかけながら、ブラームスはとワーグナー派の特徴などを話した。とりあえずうまくいったと思う。


・プラジャーク弦楽四重奏団でシェーンベルク「スケルツォ ヘ長調」とブラームスの弦楽四重奏曲第一番。

 シェーンベルクもおもしろかったが、やはりブラームスが圧倒的。勢いがあり、自然に流れる。 構成がしっかりして、楽器から楽器へと自然にうつりかわってくる様子がよくわかる。本当に見事な職人芸。

 後ろにほうに、かさ袋をいじってがさがさ言わせて、気になった。アンコールの2曲目その客は帰ったので、安心した。

|

« 東日本大震災復興支援スペシャルコンサート | トップページ | 東京のラ・フォル・ジュルネ 5月4日(2日目) »

2011年ラ・フォル・ジュルネ」カテゴリの記事

コメント

先生、私も携帯から書いているので安定してないかも。お気になさらずに〜

デュメイすごかったですね!先生の解説その通りだわ。ソナタ3番4楽章はしびれましたね!

無料コンサートでファイト・ヘルテンシュタイン(va)を聞きました。柔らかく丁寧な音に癒されました〜。有料公演並の曲数、内容でかなりお得でした。アンコールは「浜辺の歌」。観客は皆、懐かしさを覚えたのでは。心に沁みました。いい曲!!ピアノ伴奏のふささんですか、とても上手くて皆口々にあの人は誰だ?と言ってました。

今日は庄司&タチアナのダブルコンチェルト。楽しみます♪

投稿: とぴか | 2011年5月 4日 (水) 11時57分

「読ませるブログ」読ませていただきました…焼肉矢って何ですか?

投稿: 推敲 | 2011年5月 7日 (土) 21時23分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/532807/51571166

この記事へのトラックバック一覧です: 東京のラ・フォル・ジュルネ 5月3日(初日):

« 東日本大震災復興支援スペシャルコンサート | トップページ | 東京のラ・フォル・ジュルネ 5月4日(2日目) »