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メトロポリタン・オペラの圧倒的な「ランメルモールのルチア」

 69日、東京文化会館でメトロポリタン・オペラ日本公演「ランメルモールのルチア」を見て、先ほど、車で家に帰ったところ。

 これは圧倒的というしかない。ルチアを歌うディアナ・ダムラウが言葉をなくすほどすごい。声のコントロールが完璧。ハリのある高音を美しく、大きな声で歌うというレベルを超えて、完璧な、そして絶妙のコントロールでびしっと歌う。ネトレプコほど情感豊かではない。むしろ、もっと「完璧」という感じ。昔、カラヤンとベームとショルティの指揮が比較された時期があったが、ダムラウの歌はショルティに近い。比類のない完璧さで、力感にあふれ、揺るぎがない。その点、ちょっと味のなさを感じないでもない。が、それはそれで快感。堪能した。第一幕も良かったが、第三幕の最後の歌が圧巻。

 エドガルドを歌うロランド・ヴィラゾンは不調なことが多いと聞いていたが、そんなことはなかった。上り調子にどんどん良くなって、最後のアリアは、ダムラウにまったく引けを取らなかった。ダムラウとヴィラゾンの二人の歌を堪能できて、幸せな気持ちになった。

 そのほか、すべての歌手が完璧に役割を果たしている。エンリーコのジェリコ・ルチッチがとりわけ素晴らしかった。指揮のジャナンドレア・ノセダも、かなりロマンティックで躍動感あふれていた。かなり前、メトロポリタン・オペラの「ワルキューレ」の日本公演(レヴァイン指揮、ブリュンヒルデをグィネス・ジョーンズが歌った)を見て、あまり良くないオーケストラだと思ったことがあったが、どうして、どうして、素晴らしいオケだと思った。

メアリー・ジマーマンの演出はきわめてオーソドックス。安心して見ていられる。実にリアルで、情感にあふれている。

 観客の半分以上が立ち上がっての大喝采。私はイタリアオペラはほとんど見ない人間なのだが、こういう最高レベルの公演を見ると、イタリアオペラ好きの気持ちがよくわかる。ともあれ、興奮して家に戻った。

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