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昨晩の「マクロプロス事件」の追記

 昨日の「マクロプロス事件」公演について、もう少し言いたいことがあった。一晩寝て、少し気になったので、書き足しておく。

 私が第一幕が終わった時点で、おもしろいかも・・・と考えた理由、それは、このオペラの喜劇面を強調していることだった。よく言われることだが、チャペルの原作では喜劇性が強いらしい(残念ながら、未読)。それをヤナーチェクは深刻なオペラに仕上げたことは有名だ。マルターラーは、チャペルの原作に戻って、喜劇性を高めようとしていると思えたのだった。

 が、残念ながら、ほとんど喜劇性は感じられなかった。同じ行動が執拗に繰り返されることも、チャプリンやキートン的な笑いを引き起こす計算もあったのかもしれないが、それも不発。

 裁判の場面は確か、チャペルの原作にあるのではなかったか? マルターラーはそれを加えたのかもしれない。が、ほとんど意味を持っていなかった。しかもと言うべきか、ほかにどのような意味があるのかわからないが、裁判の場面で、裁判官や関係者たちはずっと居眠りしている様子で、裁判の場ということ自体機能していなかった。

 いずれにせよ、演出、そしてその謎ばかりが頭に残る現代のオペラのあり方に、強い疑問を改めて持った。ヤナーチェクの音楽のすばらしさが薄れてしまっていた。

 そのせいか、拍手もそれほど盛大ではなかった。終わった途端に数箇所からブーイングが飛んだが、もちろん演出に対してだっただろう。ただ、デノケに対してだけは熱狂的な拍手だった。幕が閉じると、観客は淡々と帰っていった。

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