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ムーティの「マクベス」は私には受け入れがたかった

8月22日、ザルツブルク音楽祭フェルゼンライトシューレで、「マクベス」を見て、先ほどホテルに戻ってきた。指揮はリッカルド・ムーティ、演出はペーター・シュタイン。一言でいって、私には受け入れがたかった。

 私はもともとイタリアオペラ好きではないし、「マクベス」も、それほど何度も見たり聴いたりしているわけではない。そのせいもあるかもしれない。が、やはり、私が激しい抵抗を感じるのは、ムーティの指揮だ。

 ムーティはずっと昔から苦手な指揮者だ。ベートーヴェンやワーグナー(スカラ座で指揮した「ワルキューレ」の映像がある!)の録音を聴いて、何と浅薄な指揮をするんだろうと思ってきた。実演も二度ほど聴いた記憶があるが、いずれも感動しなかった。が、きっとムーティの得意とするイタリアオペラであれば、私でも感動するだろうと思って、今回足を運んだのだった。何しろ、ザルツブルク音楽祭という大歌手たちが集まり、ウィーンフィルが演奏する場なのだから。

 が、やはりダメだった!

 イタリアオペラ好きは、そしてムーティ好きは、そこがいいのだろうが、あの、「ジャンッ」という感じの大見得の切り方に居心地の悪さを感じる。いちいち盛り上げ、すぱっと切り上げる。 ホテルで知り合いになったご夫婦(こんなに礼服とドレスの似合う日本人も珍しい!)が、「ズンチャッチャッ」と表現しておられたが、まったくその通り。単純明快。それが、ほぼドイツ音楽一辺倒の私には、受け入れがたい。

 そんなわけで、周囲が大喝采する中、私は蚊帳の外だった。きっととてもよい演奏だったのだろう。が、私にはさっぱりわからない。

 歌手はもちろん悪くなかった。アルファベット表記をいい加減に日本語にしているので、間違っているかもしれないが、マクベスをジェリコ・ルチッチ、マクベス夫人をタチアナ・セルジャが歌ったが、二人ともなかなか良かった。マクベス夫人のセルジャは第一幕より、第二幕の舞踏会の場面のほうがぴったりだった。第三幕の手を洗う場面もなかなか。バンコーのドミトリー・ベロセルスキーもよかった。マクダフはジュゼッペ・フィリアノーティは、最後のところでちょっと処理がザツだったが、きれいで伸びのある声ですばらしい。

 演出は、かなりふつうなのではないだろうか。私が見た覚えのあるメトロポリタンの映像と似た雰囲気だったように思う。

 まあ、毎日感動していても疲れるので、こんな日もあっていいだろう。

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音楽」カテゴリの記事

コメント

樋口さん、こんばんは。

あの「マクベス」は、ちょっと評価しがたいですよね。作品(音楽)自体、「影のない女」に比べると無内容ですし、ムーティの指揮もティーレマンのような色彩に乏しい!明快、単刀直入な指揮が、却って作品の脆弱さを強調する結果になっていました。

演出も、クロサワ映画の影響があるようですが、陳腐そのもの。安っぽい演劇のようなクライマックスに???でした。救いは、フェルゼンライトシューレの音響効果がよかったことかな…。

参考までに、「影のない女」、出演者インタビューです。
http://www.youtube.com/watch?v=JXrYCnV2uPw&feature=related

引き続き、よい旅を!

投稿: ねこまる | 2011年8月23日 (火) 21時11分

ねこまる様
コメントありがとうございます。
本日、日本に帰ってきました。
「マクベス」については本音を言わせてもらうと、「これに拍手喝采するなんて信じられん!」といったところでした。
ザルツブルクの今回の私の聴いた中で、感動度ベストワンは、やはり「影のない女」ですね。次が「イオランタ」です。唯一、ほとんど感動しなかったのが「マクベス」でした。
インタビュー、ずっとドイツ語ですね。残念・・・

投稿: 樋口裕一 | 2011年8月25日 (木) 23時24分

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