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ベルリン・バロック・ゾリステンと樫本大進のバッハの協奏曲はとてもよかった

 1024日、武蔵野市民文化会館で、ベルリン・バロック・ゾリステンと樫本大進によるバッハのヴァイオリン協奏曲を中心としたコンサートを聴いた。ベルリン・バロック・ゾリステンというのはもちろんベルリンフィルのメンバーなので、このたび、コンサートマスターに就任した樫本大進のお披露目コンサートというところか。

 もちろん、このメンバーで悪かろうはずがない。完璧なアンサンブル。古典奏法をうまく取り入れている。樫本さんにベルンハルト・フォルクが加わっての二重協奏曲がとりわけ素晴らしかった。特に第二楽章の2台のヴァイオリンの絡み合いは見事。なかなかこれほどのアンサンブルは聴けない。

 とはいえ、やはり樫本さんはロマン派や近代の曲のほうがよいと思った。最近の私たちがバッハ演奏として慣れた奏法と少し異なるため、違和感を抱かざるを得なかった。専門的なことはわからないが、曲の盛り上げ方がいかにもロマンティック。バッハはもっと取りすましていたほうがよいように私は思う。樫本さんのバッハは、私の趣味からすると、ちょっと元気がありすぎ、色気がありすぎ、ダイナミックすぎる。そのため、イ短調とホ長調の協奏曲の第二楽章、研ぎ澄まされていながらもほんの少し感傷的な雰囲気が生きてこない。私は、バッハの協奏曲に孤高を感じるのだが、それがわきあがらない。むしろ、両方の曲の第三楽章の溌剌さのほうに惹かれた。

 アンコール曲はバッハではなかったと思う(私は決してバロック音楽が得意ではない。ヴィヴァルディかな?と思って聴いた。他の人のブログを見たら「四季」だったと出ていた。実は私は「四季」もきちんと聴いたことがない。もしかしたら、そうだったかも。間違っていたら、面目ない!)が、このタイプの曲のほうが樫本さんに合っていると思った。とはいえ、もちろん、そうしたことを意識したうえで、樫本さんは自分のバッハを演奏しているのだと思う。

 ともあれ、満足。私の趣味とは多少異なっていたとはいえ、もちろん、十分に楽しめ、十分に感動できるものだった。そのほか、ピゼンデルの弦楽のためのソナタやハッセのグラーヴェとフーガという知らない作曲家の曲も聴けた。

 コンサート前、この1週間ほどの疲れが出て疲労困憊という気分でいた。コンサートに行くのはやめて帰って寝たいと思ったほど。が、聴いているうちに元気が出てきた。

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音楽」カテゴリの記事

コメント

通りがかりに失礼します。
わたくしも昨晩、武蔵野でバッハ・ゾリステンの演奏を
聴きに行きました。

アンコール曲はヴィヴァルディのドッペル・コンチェルト a-moll の3楽章だったと思います。(自分でも弾いたことがあるので、多分間違えないと思います)

投稿: | 2011年10月25日 (火) 19時45分

通りがかりの方、ありがとうございました。
バロックには強いわけではないとはいえ、「四季」はさすがに何度か聴いていますので、きっと別の曲だろうとは思っていましたが。おかげさまで曲名がわかり、すっきりしました。

投稿: 樋口裕一 | 2011年10月26日 (水) 07時50分

hopewith様
今朝、コンサート公演の案内をいただいたようですが、削除させていただきました。
私のみに対する案内でしたら、もちろんこのままでよいのですが、このブログを読んでくださっている方への案内だとしますと、私は公演案内に対する責任を持てません。そのような案内を不用意に私のブログに載せるわけにはいかないからです。
私は主催団体を知りませんし、出演者も個人的には存じ上げません。しかも、投稿者は実名を名乗っておりませんし、アドレスも記載がありません。私がこの公演を信じ、それに賛同するには、不足が多すぎます。もちろん、そんなことはないとは信じますが、万一、サギまがいの行為だとしますと、私もそれに加担することになってしまいます。
削除しましたこと、ご理解ください。

投稿: 樋口裕一 | 2011年10月26日 (水) 08時07分

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