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イブラギモヴァの素晴らしいバッハ無伴奏

 11月15日、HAKUJU HALLでアリーナ・イブラギモヴァの無伴奏ヴァイオリン・パルティータの第1・2・3番を聴いた。素晴らしい演奏。

 まず、かわいらしい容姿にびっくり。ベートーヴェンのソナタ全集のCDを聴いて、なかなか良い演奏なので、実演を聴いてみたいと思ったのだったが、こんなにかわいらしい女性だとは思っていなかった。1985年ロシアの生まれというから、まだ20代。ロシア的な体格の良い美人というのではなく、まさにかわいらしいお嬢さん。そこから出てくる音も、とても自由で自然でのびのびしている。

いずれの曲も、どちらかというといわゆる草書風の演奏スタイルで始まるが、ダイナミックなところもあり、強靭なところもあって、だんだんと音楽が深まっていく。モダン楽器を使っていると思うが、古楽器風の演奏法を取り入れているようだ。

パルティータ第1番のクーラントのダブルの部分のあまりの速さにびっくり。だが、まったく乱れることがなく、爽快に音楽を進めていく。刻まれる音の一つ一つが実に美しい。しかも、繰り返しの部分がニュアンス豊か。平板にならずに、美しき聴かせてくれる。

 とはいえ、私は第1番よりも第2番のほうが気にいった。ここでも草書風の自由な雰囲気で始まって、だんだんと速くなり、まただんだんと音が深まっていく。ジーグの部分でダイナミックになって、いよいよシャコンヌ。

深くてダイナミックなシャコンヌだった。大きく流動し、ここぞというところで激しく突き刺さる。ただ、ちょっと音が裏返ったところがあったのは残念。それに、私の個人的趣味としては、もっと大宇宙に迫っていくような迫力がほしかった。とはいえ、20代の少女がこれだけ深い音楽を作っていること自体、ほとんど驚異。何度も私は深く心に刺さる部分があった。

第3番は第2番よりももっと良かった。伸びやかで明るく、チャーミング。この曲の明るさを実にうまく描き出している。少なくとも今の時点では、この曲のほうが彼女に合っていると思った。高音が実に美しく、透き通っている。

 ともあれ、実に満足。これからも追いかけて聞きたいヴァイオリニストの一人だ。

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