IBM管弦楽打のこと、そしてモノオペラ「悲嘆」のテレビ放送のこと
まだ、ネマニャのファンイベントの興奮が抜けない。「祭りの後」の気分。
そんな中、多摩大学経営情報学部の諸橋学部長のお誘いで、新宿文化センターでのIBM管弦楽団の演奏会に行ってきた。あのIBMの社員を中心に結成された管弦楽団。ただし、プログラムを見ると、関連会社の人や応援の人も混じっているようだ。結成から20年で、第18回定期公演というから、かなりの歴史。ガラガラかと思って言ったら、ほぼ満員。営業努力にも感嘆。
曲目は、「ばらの騎士」組曲と、四つの最後の歌。後半は田園交響曲。指揮は新通英洋、ソプラノは松田正恵。かなり腕に自信がないと選ばない曲目ではある。
アマチュアとしてはかなりのレベルだった。コンサートマスターの音の美しさにびっくり。松田さんの歌もとてもよかった。木管楽器と弦楽器もレベルが高いと思った。一流企業には、楽器をたしなむ人が多いということなのだろうか。指揮も、精度のよくないオーケストラを上手にコントロールしていた。
が、とはいえ、ネマニャ、パリ管の後にこれを聴くと、やはり粗さを強く感じざるを得ない。
ところで、朗報を聞いた。今年の9月5日にサントリーホールで上演された三枝成彰さんのモノオペラ「悲嘆」がBS-TBSで放送されるとのこと。6日の27時~28時。つまり、7日の深夜3時からということらしい。また、前日には同じ日に上演されたプーランクの「人間の声」も上演される。その前日(12月4日)の夜には、これらのモノオペラが上演されるまでを描くドキュメンタリーが放映されるとのこと。
私は、モノオペラ「悲嘆」が大好きだ。ブログにも書いたとおり、世界のオペラ史に残る名作だと思う。傑作ぞろいの三枝さんの作品の中でも、これが群を抜いていると思うし、プーランクの「人間の声」やシェーンベルクの「期待」をしのぐモノオペラだと思う。
上演当日、テレビ録画されている様子なのを見て、いつ放映されるのかずっと気になっていた。
ぜひ多くの方に、これらの番組、とりわけ「悲嘆」をご覧になってほしい。そして、このオペラの真価を知ってほしい。
と言いつつ、ネマニャ来日のため、仕事が停滞して、今、焦りに焦っている。原稿は滞り、授業の準備はできず、そのほかの仕事も止まっている。気合を入れて仕事をしなくてはいけない。
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コメント
樋口先生こんばんは
ネットでラ・フォル・ジュルネ鳥栖音楽祭の記事を見かけました。
来年はロシア音楽特集らしいので楽しみにしています。
できれば、ショスタコーヴィチの森の歌やフレンニコフなどの普段聞けない作品も聴いてみたいです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111128-00000180-mailo-l41
投稿: Y.M | 2011年11月29日 (火) 02時44分
Y.M様
コメントありがとうございます。
鳥栖のラ・フォル・ジュルネ、来年も無事開けることを祈っています。きっと親しみやすい曲が多く演奏されると思いますが、そこはルネ・マルタンのことですから、珍しい曲が必ず混じっているはずです。
そうですね。私も「森の歌」は一度も実演を聴いたことがありません。少し関心のある人ならだれもがタイトルは知っていながら、実際に聴く機会はほとんどない曲ですので、聴いてみたいですね。
投稿: 樋口裕一 | 2011年12月 1日 (木) 22時00分