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ネマニャ前夜 千々岩英一の無伴奏ヴァイオリン

 11月21日、武蔵野市民文化会館小ホールで千々岩英一の無伴奏ヴァイオリンのリサイタルを聴いた。曲目は、ピアソラの無伴奏フルートまたはヴァイオリンのための単語・エチュード週より、バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番、エネスコの「ルーマニア風の歌」、ストラヴィンスキー「エレジー」、細川俊夫「ヴァイオリンのための悲歌」、ロックバーグの「カプリース変奏曲」。

 千々岩英一という名前は以前から知っていたが、実際の演奏を聴いたのは初めて。独特の無伴奏だった。技術は達者だが、流麗ではない。私はごつごつした感じを受けた。

バッハの無伴奏の演奏スタイルは、大まかに「草書体」と「楷書体」に分けられる。千々岩さんのスタイルは楷書体だろう。自由に演奏するのではない。だが、そうであるにもかかわらず、しばしば定型の中に納まりきらずに、そこからはみ出そうとする。そこがおもしろい。我の強さのようなものが現れる。バッハの最後の曲は躍動感があり、我の強さがうまく現れて素晴らしかった。

後半の曲は、細川俊夫の曲がおもしろかった。ストラヴィンスキーよりもおもしろかった。おもしろかったと言っては失礼かもしれない。まさしく悲歌。悲痛な思いが込められ、しかも美しい。現代曲になじみのない私のような人間にも、感動して聴ける。ロックバーグという現代アメリカの作曲による「カプリース変奏曲」もおもしろかった。パガニーニのカプリースのほか、ベートーヴェンなどの曲が引用される。

アンコールはバッハの無伴奏ソナタ3番。しみじみとした演奏だったが、千々岩さんは、むしろもっと躍動するバッハを独特の表情で演奏してくれるほうが私は感動できると思った。

明日から、私にとってのネマニャ週間が始まる。午前中に兵庫に向かって出発。ファンクラブのお茶会に参加して、その後、兵庫芸術文化センターでのネマニャによる無伴奏ヴァイオリンのリサイタルを聴く。それから、ほとんど毎日ネマニャを聴くことになる。

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