« 王子ホールのネマニャ | トップページ | IBM管弦楽打のこと、そしてモノオペラ「悲嘆」のテレビ放送のこと »

ネマニャのファンイベント、そしてパーヴォ・ヤルヴィ+パリ管

 今日は、しばらく前から準備をしてきたネマニャ・ファンクラブ「プレピスカ」のイベントの日。

 午前10時に青山のライブハウス「月見ル君想フ」に集合。スタッフの一員として、イベントの準備をした。スタッフ10人ほどであれこれと準備を重ねた。とはいえ、私はほとんど役に立たない。足を引っ張らないように気をつけていただけ。

 12時に会場。12時半にイベント開始。ファンクラブの副会長である日本史コメンテーターの金谷俊一郎氏(東進ハイスクール時代からの仲。奥様とともにネマニャの大ファン!)の司会でイベントが開始された。金谷さんの軽妙なトークが見事。私が会長として挨拶をし、ステージ上でネマニャのこれまでのコンサートについて金谷さんと話をしながら、ネマニャと悪魔のトリルのメンバーの到着を待った。金谷さんのおかげで、ともあれ失敗せずに楽しく話ができた。

 1時少し前にネマニャの一行が到着。すぐにステージに来てくれて、普段着のまま演奏を始めてくれた。ただし、私は自分のしゃべりのことで頭がいっぱいで、残念ながら、実は聴いているどころではなかった。

 演奏については、実は上の空だった。それほど緊張していたということか。確か、最初にネマニャの無伴奏でバッハのパルティータの2番。ジークまで無伴奏で、シャコンヌは悪魔のトリルの5人の伴奏がついた。次に、バスク奇想曲、そして、ミレティチの「ダンス」、ヴィヴァルディの「夏」だったような気がする。

 兵庫と三鷹と王子で聴いた曲だが、改めて、ネマニャの力を思い知らされた。

 クラシック音楽通も、ほとんど初めてクラシックに接する人も、同様にネマニャの音楽に魅入られ、感動する。それほど魂を揺り動かす力を持っている。本当に力のある音楽というものは、音楽通だけを喜ばせるものではないだろう。ネマニャの音楽こそが本当の音楽のあり方だと思う。

 本当は、ファンイベントでもずっとネマニャと悪魔のトリルの演奏を聴いていたいところだが、マネジメント会社との関係でそれはできない。演奏はミニコンサートでおしまいにして、あとはトークを中心にしたイベントに移った。ネマニャと悪魔のトリルのメンバーに、いくつか質問。

前もって参加予定者に募集しておいたネマニャへの質問をぶつけた。私自身のいくつかの質問も加えた。同じく前もって募集しておいた「演奏してほしい曲」もネマニャにぶつけた。ネマニャは誠実に答えてくれた。多くの曲に対して、かつて弾いたことがあるので、日本でも弾きたいという返事だった。ネマニャの人懐こい人柄が現れる。が、また、とても内向的で繊細な面も。

 弾いてほしい曲の一つに、バッハのパルティータ第三番のガヴォットを混ぜておいた。これは私の計略だった。もしかしたら演奏曲のすべてが悪魔のトリルとの合奏かもしれないので、1曲だけでもネマニャの無伴奏を聞きたいと思った。この曲を混ぜておいたら、きっとネマニャは「これだったら、今すぐに簡単に弾けるよ」と言って弾いてくれるのではないかと思ったのだった。

 計略通り、ネマニャは、弾く気になってくれた。が、残念ながら、弓を悪魔のトリルのメンバーが持ち去っていた。そこで、急遽、コントラバスの弓を使って弾いてくれた! しかも、私のすぐ耳元で!! 実はこの曲、私が子どものころ、ヴァオリンを無理やり習わされていたころに弾かされていた記憶がある。自分で弾くのは大嫌いだったが、ネマニャの音で聴くとまさしく至福。

 その後、抽選で当たった人にネマニャ印の手ぬぐいと、ネマニャとのツーショット写真をプレゼントして盛り上がった。そして、ファンクラブからネマニャと悪魔のトリルのメンバーへの手ぬぐいのプレゼント。メンバーの一人が「日本の春2011」の作曲者セドラーさんと連絡を取って受け取った日本の人々とネマニャへのコメントも読み上げられた。

 ネマニャは退出しようとするとき、突然、「参加者全員との集合写真を撮りたい」と言い出した。急遽、ネマニャが客席の中心に入って、全員で記念写真撮影。これにはみんな大喜び。撮影してくれたのは、今林浩一さん。私は存じ上げなかったが、メンバーの一人の友人だということできてくださった高名なカメラマンだ。

 ともあれ、最高のイベントだったと思う。何より、ネマニャが喜んでくれた。お客さんのほとんどもきっと満足してくれたと確信する。

 みんなの前でも語った通り、もっとファンクラブを大きくて強いものにしたい。そして、私たちの力でネマニャのコンサートを開きたい。そして、私たちの手でネマニャのCDを出したい。それだけの力をつけたい。今日、その希望を得ることができた。

 イベント終了後、スタッフで打ち上げ。

 私は途中で抜けて、サントリーホールに向かい、仕事の打ち合わせの後、パーヴォ・ヤルヴィ指揮のパリ管弦楽団のコンサートを聴いた。

 前半は「魔弾の射手」序曲と、諏訪内晶子のヴァイオリンによるメンデルスゾーンのコンチェルト。が、まだ私の耳元ではネマニャのヴァイオリンが鳴っていて、諏訪内さんのヴァイオリンを聞く余裕がなかった。とても清潔で高貴で美しい音だったが、私の耳には入ってこなかった。諏訪内さん、ごめんなさい!

 後半は「幻想交響曲」。これは凄まじい演奏だった。軽めで色彩豊かな音。まさしくフランスの音。しかも、完璧なアンサンブル。全楽器が鳴り響いても、音が濁らず突き抜ける。完璧にコントロールされ、きびきびと、しかもドラマティックに音楽が進んでいく。この曲の第三楽章はどうしても退屈になりがちだが、ヤルヴィにかかるとまったくそんなことはない。スリリングでドラマティックな楽章になっていた。第五楽章の最後は、まさしくおどろおどろしい世界の魅力と音の快楽に酔った。

 おなかいっぱいにまで音楽を味わった一日だった。

|

« 王子ホールのネマニャ | トップページ | IBM管弦楽打のこと、そしてモノオペラ「悲嘆」のテレビ放送のこと »

音楽」カテゴリの記事

コメント

樋口先生、お疲れさまでした。
ネマニャウィークだけでも何てタフなんでしょう、と思いま
したが、諏訪内さんもファンイベントの同日にお聴きとは。
とてももったいない組み合わせと思います。
ファンイベント、楽しませていただきました。
間近でネマニャの演奏を聴けるなんて、メジャーになると
こんなぜいたくは味わえないのでは、今思いっきり楽しもう、
など考えながら満喫しました。
樋口先生はじめ、スタッフの方々には感謝感謝です。
ファンによるコンサート、無伴奏オンパレード、出来たら
最高ですね。

投稿: mitsu | 2011年11月29日 (火) 13時30分

mitsu様
コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、諏訪内さんを最高のコンディションで聴くことができずに、もったいないことをしました。
それにしても、ネマニャの演奏は素晴らしかったですね。ファンイベントは、至近距離で聴けるのがいいですね。確かに、今のうちだけの贅沢かもしれません。

投稿: 樋口裕一 | 2011年12月 1日 (木) 22時03分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/532807/53342931

この記事へのトラックバック一覧です: ネマニャのファンイベント、そしてパーヴォ・ヤルヴィ+パリ管:

« 王子ホールのネマニャ | トップページ | IBM管弦楽打のこと、そしてモノオペラ「悲嘆」のテレビ放送のこと »