「優雅なインドの国々」を楽しんだ
12月9日、大学の授業の後、車で駆けつけて、HAKUJU HALLで「バロックオペラの日! 最新最強コラボによる“21世紀のラモー”」を聴いた。曲目は、オペラ「優雅なインドの国々」からの抜粋。指揮・チェンバロを鈴木優人、ソプラノを野々下由香里、ダンスを黒田育世。一言で言って、とてもおもしろかった。
演奏はとてもよかった。私の耳はソプラノの歌とチェンバロのほか、若松夏美のヴァイオリンのほか、築城玲子のフラウト・トラヴェルソを追いかけていた。全体的に見事なアンサンブル。まったくもってド素人的な感想で申し訳ないが、さすが鈴木家のDNAは凄いなあとも思った。ソプラノの野々下さんはヴィブラートのほとんどない美しい声で音程もきわめて正確。とても気持ちよく聴けた。
このオペラを聞くのは初めてだし、ラモーについても、CDを数枚聴いて、「レ・パラダン」のシャトレ座公演の日本公演も見たことがある程度なので、もちろん私に演奏の質について判断する資格はない。ラモーの音楽というのはこんなものなのかという初心者的発見をしながら楽しむばかりだった。
しかし、企画者には大変申し訳ないが、私のようにダンスに関心のない人間からすると、「音楽だけでよかったなあ」という印象。ダンスがあると、どうも音楽に集中できない。「意味」の病に取りつかれた近代人の一人である私は、ダンスの仕草にどのような意味があるのか考えてしまう。私にとってダンスは猫に小判だった。
残念だったのは、背景に字幕が出るものの、まったくストーリーを理解できなかったこと。オペラなんだから、何かしらのストーリーがあると思うのだが、少しその全体像をとらえた中で、個々の曲を聞きたかった。まあ、これも「意味の病に取りつかれた近代人」の欲求にほかならないのかもしれないが。
これまでバロックオペラにはあまり関心も持たずにきた。DVDも全部で10本も見たことがない。きっとバロックオペラも宝の山なんだろうと思った。
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