« 森美代子+松尾俊介のミニコンサートのリハーサルに立ち会った | トップページ | マヌエラ・ビシェリエのソプラノにちょっと不満 »

森美代子+松尾俊介のミニコンサートは大成功!

 1217日は午前中から教授会だった。午後、学生の研究発表を時間の許す限り聞いて、九段の寺島文庫にあるカフェ「みねるばの森」に向かった。私のゼミの4年生による卒業制作としてのミニコンサートのため。企画・運営は敢えて学生に任せきりにしているが、私が行ってそれなりに存在を示さないと、演奏家をはじめとする関係者に大変申し訳ない。

そんなわけで、17時前に会場に到着して関係者と挨拶を交わした。いつもは頼りない学生たちだが、スーツを着て、それなりにしっかりと役割を果たしている。

 1830分、演奏開始。最初のカッチーニの「アヴェ・マリア」だけ、緊張していたのか、ちょっと二人の息の合わないところがあった。が、2曲目のデラックァの「ヴィラネル」からは、二人の息も合い、声も伸びてきて、素晴らしい演奏になった。音程も正確、声に勢いがあり、ツバメの歌声を表現するコロラトゥーラのテクニックの難しいところもまったく危なげなく、びしっと決まって、実にさわやか。

ドリーブの「カディスの娘たち」になると、森さんのかわいらしい外見からは意外なほどのドラマティックでエネルギッシュな声が炸裂。山田耕筰の「ペチカ」も武満徹の「小さな空」も日本語の発音も聞き取りやすく、情緒に流されず、明確に、しかししっとりと歌う。クリスマスソングも、楽しく、しかも美しい。

私が最初に森さんの歌を聞いたのは、2008年の二期会ウィークでのことだった。私が司会者の一人としてオペラの案内をし、数人の歌手に歌っていただいたが、その一人が森さんだった。その時、森さんは風邪をひいており、体調は万全ではなかったものの、「夜の女王のアリア」などを見事に歌ってくれた。そして、今年の春、パルテノン多摩で多摩フィルをバックにして、「春の声」と「夜の女王のアリア」を歌ってもらった。これも素晴らしかった。アンケート結果によると、森さんの歌に驚いたという声が多かった。

そのコンサートでの森さんの歌を聞いたゼミ生が、再び森さんにお願いしようとして、今回の企画をしたのだった。

こんなことを言うのはとても僭越だが、森さんはどんどんと成長しているように思う。今や、日本を代表するプリマドンナの一人だと思う。これからのますますの活躍が本当に楽しみだ。

 リハーサルでは松尾さんのギターソロは聴かなかったので、今回初めて。関西弁を使う青年なので、かなり明るめの演奏をするのだろうと思っていたら、ソロで作り出す音楽は実に繊細で美しいのでびっくり。暖かくて、やさしくて奥深い世界を作り出す。ポンセの「エストレリータ」は、題名だけ聞いて知らない曲だと思っていたが、演奏を聴くと、耳になじんだ曲だった。なぜだろう? 同じポンセの「カンシオン(聖母の御子)」も実に美しい。松尾さんも、ギター界を牽引する未来の大スターだと思った。

 最後にアリャビエフの「夜鳴き鶯」。まさしくロシア情緒満開のコロラトゥーラの曲。最高に盛り上がった。ナイチンゲールの鳴き声を模す最高音も美しく決まった。アンコールは「聖しこの夜」。

 30数名の少ない客だが、感動してくれた様子。静まり返り、盛大な拍手が巻き起こる。歌とギターという組み合わせは、親密な空間を作り出して、実にいい。

 この二人の演奏をこれからも聴きたいと思った。この二人があちこちで演奏すると、きっと日本中の多くの人を感動させるのだと思う。

 まだまだゼミ生も一人前とはいかないし、今回も不備がたくさんあった。お客さんや演奏者にも失礼がたくさんあったのではないかと思う。が、ともあれ、こんな素晴らしい演奏を届けることができた。そして、感動を与えることができた。こんなうれしいことはない。

 最後に、ゼミ生から花束をもらった。卒業を前にして、私への感謝の気持ちだということらしい。ちょっと、ほろりとした。

 その後、すぐ近くの居酒屋で、コンサートを聞いてくれた多摩大関係者と合流して、少し飲んだ。久恒先生も山本さんも井川さんも、とても感動してくれたとのこと。楽しく語り合った。

|

« 森美代子+松尾俊介のミニコンサートのリハーサルに立ち会った | トップページ | マヌエラ・ビシェリエのソプラノにちょっと不満 »

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/532807/53510744

この記事へのトラックバック一覧です: 森美代子+松尾俊介のミニコンサートは大成功!:

« 森美代子+松尾俊介のミニコンサートのリハーサルに立ち会った | トップページ | マヌエラ・ビシェリエのソプラノにちょっと不満 »