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マヌエラ・ビシェリエのソプラノにちょっと不満

 12月18日、武蔵野市民文化会館でマヌエラ・ビシェリエのソプラノ・リサイタルを聴いた。最高レベルに美しい声、完璧な声のテクニック、最高に美しい容姿。将来性としては最高レベルだと思った。が、実を言うとあまり感動できなかった。

 音楽を演奏する時の一番肝心の部分が、ちょっと弱いと思った。深い味わいというか、リアルな存在感というのか、そのようなものを感じない。一言で言うと、どの歌も同じように聞こえ、その作曲家の世界観、そのオペラの主人公の心が聞こえてこない。

 ドニゼッティ、ビゼー、ロッシーニ、モーツァルト、プッチーニ、グノー、ベッリーニのオペラの中の様々な登場人物の様々な心情の歌をやすやすと次々と歌っていくこと自体、無理があると私は思う。確かにどの歌も、音程は確かで、声は美しい。だが、一本調子を感じてしまう。スザンナもミカエラもアディーナもロジーナ(「セヴィリアの理髪師」)もムゼッタもナタリー(「夢遊病の女」)も醸し出される雰囲気はほとんど変わらない。そのため、聞き進むうちに退屈を感じた。

 大喝采が起こっていたので、もしかしたら一番後ろの席の私には聴きとれなかっただけかもしれないが、私としては、とてももったいない気分でいっぱいだった。こんな素晴らしい素材なのに、十分に生かしていないのだから。

 ただし、この歌手、1980年生まれというから、まだ30歳そこそこ。優れた指揮者のもとでオペラを歌ううちにきっともっと素晴らしいものを描きだすようになるだろう。その日が早く来るのを待ちたい。

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