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ミランダ・キースのリサイタル、そして「アンナ・ボレーナ」と「ダナエの愛」のBD

 2月10日、大学で教授会などに出席。その後、会議などを行った後、武蔵野市民文化会館に行って、ミランダ・キースのソプラノ・リサイタルを聴いた。なかなかよかった。

 キースというソプラノ、もっと若い人かと思っていたら、かなりのお歳。ハイヒールを履いていたとはいえ、ピアノ伴奏の斎藤雅広さんが肩ぐらいしかないほどの大柄な女性だった。メンデルスゾーンの「新しい恋」に始まり、歌曲とオペラが入り混じって歌われた。最初は大柄なおばさまのわりにはかわいらしい声に聞こえたが、徐々に迫力を増していった。小ホールが迫力ある大声でビンビンと響く。

シュトラウスの「夜」や「万霊節」「献呈」やシベリウスの「逢引から帰った乙女」もよかったが、後半の英語の歌(クイルター「愛の哲学」、コープランド「心よ、彼のことは忘れよう」、バーバー「この輝く夜にきっと」、ブリッジ「愛はペガサスの翼に乗って」)が一番良かった。

が、全体的には、やや一本調子。声もきれいだし、声量も見事で、十分に良い演奏なのだが、あと少しの感動が薄い。どの曲も雰囲気にあまり違いが感じられない。音楽の深い世界がたちあらわれてこない。もったいないと思った。ピアノの斎藤さんはいつも通り、実に素晴らしい。歌曲の伴奏者として、これほどすべてに一流の音楽をつけるのは凄いことだと思う。

ところで、オペラのBDを2本見た。それについても簡単な感想を書いておく。

796 ・ドニゼッティ「アンナ・ボレーナ」。ウィーン国立歌劇場。

 私はドニゼッティ好きではないのだが、アンナ・ボレーナをネトレプコが歌っているので購入した。このオペラ、CDで一、二度聴いた覚えがあるが、ほとんど親しんでいない。

ジョヴァンナはエリーナ・ガランチャ。エンリコ8世を歌うのはイルデブランド・ダルカンジェロ。この三人は、期待通り、文句なし。容姿、声とも大迫力。演技力という面ではガランチャが少し劣るかもしれないが、それに勝る容姿がある。

 指揮のエヴェリーノ・ピドを初めて聴いたと思うが、とてもいい指揮者だと思った。歯切れがよく、音が生きている。しかも、存分に歌わせる。演出はエリック・ジェノヴェーゼ。きわめてオーソドックスな演出だと思う。

636 ・シュトラウス「ダナエの愛」ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団&合唱団。

 ネットを探しているうちに、このBDの存在を知ってあわてて購入。私は14歳のころから(つまりは、46年ほど前からの!)シュトラウス・ファンだ。シュトラウスのオペラについては、可能な限り見聞きしてきた。CDやDVDもめぼしいものはすべて入手している。「ダナエの愛」は、タイトルだけは40年ほど前から知っていたが、ずっと聴く機会がなかった。近年になって、やっとCDが発売されたので、そのいくつかは購入したが、日本版ではなかったために、ストーリーさえよくわからなかった。ベルリン・ドイツ・オペラの映像が発売されたとあらば、見てみないわけにはいかない。

今回、映像で見て、ストーリーは理解できた。神話を扱ったオペラだが、今回の演出は現代に時代が移されている。とはいえ、ストーリーを理解するのに、それほど違和感はない。だが、よくいわれる通り、あまり出来の良い台本ではないと思う。話がわかりにくいし、無駄があまりに多いと思う。音楽については、シュトラウスらしい素晴らしいところがたくさんある。ストーリーを理解できたうえで音楽を聞くと、これまでと違って聞こえてくる部分があった。

歌手たちの水準はあまり高くない。ダナエを歌うマヌエラ・ウールもユピテルを歌うマーク・デラヴァンもミダスを歌うマティアス・クリンクも、まさしく「いまいち」。声が不安定で、時々苦しさがのぞく。メルクールを歌うトーマス・ブロンデレが、主役格の中では最も良かった。

全体的に日本の新国立劇場での公演と同じくらいのレベルといえるかもしれない。逆に言うと、日本の新国立は、ベルリン・ドイツ・オペラの通常の公演に決して劣らない水準に達しているということだろう。

指揮はアンドリュー・リットン。悪くはないのだが、ほかの人が指揮したら、もっと良いのではないかという気がしないでもない。演出はキルステン・ハームズ。初めてみるオペラなので、演出については何とも言えない。

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