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12歳の文学賞受賞式、そして拙著「知識ゼロからのクラシック音楽鑑賞術」発売のこと

 3月28日、小学館本社ビルで12歳の文学賞の受賞式が行われた。私も審査委員の一人として出席した。昨年は震災のために中止だったので、2年ぶりの授賞式。

 審査員はあさのあつこ、石田依良、西原理恵子、そして私の4人。が、残念ながら、石田さんと西原さんは事情があって欠席。あさのさんと私の二人だけの出席だった。

 受賞者とその保護者の方、そして報道関係者の前で、私も審査の経緯と講評を話した。その後、受賞者とともに小さな会食。

 いつものことながら、「レンタルキャット」で大賞を得た工藤みのりさんをはじめ、大人顔負けの素晴らしい小説を書いたのが、こんな小さな子どもたちだということに驚く。

 工藤さんの作品は、言葉の喚起力、構成、人物設定、心理描写などすべてが見事。小学生の作品とは思えない完成度だが、そこにはまさしく小学生の感性がある。豊かな才能に驚く。

 ほかの作品も見事なものがいくつもあった。その中でも私が特におもしろいと思ったのは、前田慈乃さんの「かくれんぼクラブ」と小林陸君の「じいちゃんが」だった。前者はホラー小説。ぞっとするほど怖い。小学生の書いたものに、60歳を超えた私が怖くてトイレに行けなくなるほどだった。後者は、近代小説の約束事を取っ払ったかのようなハチャメチャ小説。元気でおもしろい。もちろん、それ以外の作品もいずれ劣らぬ傑作ぞろい。

 これらの作品は小学館から刊行された「12歳の文学 第6集」に収められている。そのレベルの高さがわかるだろう。単に「子どもの書いた小説」というレベルではない。まさしく「天才」と呼んでよいような才能の文章が並んでいる。

 テーブルを共にして会食したが、やはり相手が子どもたちなので、どのように話をしてよいのかわからずに困った。利発で知的なお子さんたちなのだが、初めて会う人達との会食なので、子どもたちも戸惑っている。とりわけ、あさのさんは、小説を書く子どもたちにとっての大きな憧れの的なので、子どもたちも緊張している様子だった。小学館の方たちが気を遣って、子どもたちに質問したりしていたが、私としても、もう少し上手に話を回せばよかったと反省。

 なお、大賞を受賞した工藤みのりさんは、私の主催する作文・小論文の通信添削塾である白藍塾の会員だ。数年前から、毎回のようにずば抜けた作文を書くようになり、私たちもずっと注目していた。これまでいくつもの作文コンクールに入賞している。

 最終審査会の時、私は工藤さんの作品に最も心惹かれたが、会員の作品なのでひいき目かもしれないと思って、あまり強く推さずにいた。が、石田さんとあさのさんが強く推すので、もちろん私も賛成し、すんなりと大賞が決定したのだった。

 石田さん、西原さんが欠席なのが残念。お二人がいれば、受賞者はもっと嬉しかっただろう。私は文章指導者でしかなく、また大人向けのいわば自己啓発書風の本の著者なので、ほかの審査員と比べて、私は少なくとも小学生の憧れの存在ではなかろう。

 だが、それにしても、小学生たちの豊かな才能と、彼らの未来に頼もしさを感じた。

 この日は、この後、京王プラザホテルに移動。多摩大学の会議に出席し、その後、多摩大学懇親会。関係者と会食した。

51hwxnsg1ql__sl500_aa300_  ところで、幻冬舎から拙著「知識ゼロからのクラシック音楽鑑賞術」が発売になった。昨年の夏、ザルツブルク音楽祭の最中、夕方からのオペラの前にホテルで書いていたものだ。CD付きなので、その選択などに時間がかかり、今の時期の発売になった。

 タイトル通り、まったくの初心者向けに、初めにどのような曲を聴くべきなのか、そもそもクラシック音楽とはどのようなものなのか、コンサートに行くにはどうするかなどを懇切丁寧に説明している。

 わかりやすく書いたつもりだが、本の性質上、どうしても教科書的になって、好き勝手に書くことができず、かなり苦心した。もう少し自由に書きたかった。

 とはいえ、クラシック音楽初心者にはしっかりと役に立つ内容になっていると思う。関心のおありの方は、ぜひお読みいただきたい。

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