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カロリン・ヴィットマンの無伴奏ヴァイオリン

 4月2日、武蔵野市民文化会館でカロリン・ヴィットマンによる無伴奏ヴァイオリン・リサイタルを聴いた。

 知的な雰囲気の美貌の女性ヴァイオリニスト。最初にバルトークの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ。一言で言って、私の好きなバルトークの無伴奏の演奏ではなかった。達者な演奏だが、厳しさも鋭さも感じられない。きれいな音で流麗に音が続くだけ。少しも心が動かさず、かなり退屈だった。

 次に、シャリーノという現代作曲家の「ヴァイオリンのための 6 つのカプリチオ」。パガニーニの「24のカプリース」のインスピレーションを得た作品だという。最初から最後までフラジオレットを用いた超絶技巧の作品。弓を弦に直角に当てるのではなく、弦に沿って擦る奏法が使われているのは初めて見た。が、それにしても完璧な演奏。この難しい曲を余裕を持って演奏している。すばらしかった。

 後半はバッハのパルティータ第2番。これもバルトークと同じように、私には少しもおもしろくなかった。とりわけ、最高傑作のはずの「シャコンヌ」がまったく心に響かない。これもバルトークと同じように、達者な音で流麗に弾いているだけという印象を受けた。ほかのヴァイオリニストの演奏で感じるような深い感動も激しい震撼も、宇宙的なスケールの大きさも感じなかった。

 アンコールはイザイの無伴奏ソナタの第2番(「怒りの日」の入ったもの)。これはとてもよかった。切れがよく、ズバズバと音が決まる。

 要するに、私はバルトークとバッハといった精神的に深い曲については、まったくもって退屈し、シャリーノとイザイというに関しては、とても感動した。簡単にまとめると、精神的に深いタイプの曲については、私はこの演奏家の演奏は受け入れがたいということのようだ。

 2012年度もあと数日で授業が始まる。まだまだ忙しさが続いている。

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