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ララ・セント・ジョンの凄まじいバッハの無伴奏

 618日、中央大学駿河台記念館で行われた原田税務会計事務所主催の「経営者セミナー」で講演。コミュニケーション能力の鍛え方について話をした。80人を超す参加者が熱心に耳を傾けてくれた。質問を多く出され、私としては非常に満足。

 その後、武蔵野市民文化会館に移動して、カナダ生まれの女性ヴァイオリニスト、ララ・セント・ジョンの演奏するバッハの無伴奏パルティータを聴いた。私は大いに感動し、圧倒された。

 いわゆる「草書体」の演奏。緩急自在で、自由にテンポを動かして弾いていく。大きなうねりのリズムに乗って流動していく。まるで、もののけの乗り移った巫女が夢うつつの中で語るかのように、個人を超えた向こうから音楽が湧き出してくる。だが、徐々に音楽は大きな命を吹き込まれ、スケールの大きな大宇宙の中で命の高なりを描き出す。セント・ジョンは夢うつつで弾いている雰囲気でありながら、曲が終わったときには、まるで激しい運動の後のように息を切らして強い息遣いをしている。凄まじい集中力。凄まじい迫力の演奏。

 とりわけ、パルティータ2番のジーグとシャコンヌが素晴らしかった。流動し、高まり、うねっていく。実にスケールが大きく、しかもスリリング。ときどき、弦がこすれて汚い音が混じるのが欠点だが、あまりのスケールの大きさのために、そのようなことは気にならなくなる。休憩後のパルティータの1番のクーラントも素晴らしかった。そして。3番のプレリュードも圧倒的。

 私は、実を言うとヘンリク・シェリングのような正調バッハとでもいうべき演奏が大好きなのだが、ときに今日のような激しくて流動的な演奏を聴くと、魂を揺り動かされ、心の底から感動する。これはこれで本当に素晴らしい。

最後に、現代作曲家コリリアーノの「ストンプ」。コリリアーノは映画「レッド・ヴァイオリン」の作曲者で、客席に来ていた。足音をふみならしての演奏だったが、もちろん、それも楽譜に含まれているのだろう。とてもおもしろい曲。アンコールはバッハの無伴奏ソナタの中の曲(ラルゴだっけ?後で確認したい)。

ともあれ、素晴らしかった。武蔵野市民文化会館が呼んでくれる演奏家たちは若い人も含めて粒ぞろいだ。7月に来日するレイチェル・コリー・ダルバにも期待している。昨年だったか、たまたま買ったCDを聴いて、ダルバの凄まじさに酔った。次々と登場する若手ヴァイオリニストを聴くのが何よりも楽しみだ。

 

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