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N響「夏」2012 東京公演のダルバとアクセルロッド

 7月20日、NHKホールでN響「夏」2012東京公演を聴いた。ジョン・アクセルロッド指揮、レイチェル・コリー・ダルバのヴァイオリン。曲目は、前半に「カルメン」組曲とショーソンの「詩曲」、ラヴェルの「ツィガーヌ」、後半にサン・サーンスの交響曲第3番。

 金曜日は大学でゼミを受け持っている日なので、ふだんはコンサートに行くのは諦めていたのだったが、先日、振替授業を行ったので、今日は休講にしていた。「そうだ、この日はコンサートに行けるんだった!」と突然、数日前に気づいてあわててチケットを入手。レイチェル・コリー・ダルバという若いヴァイオリニストはたまたまイザイの無伴奏ヴァイオリンソナタのCDを購入して知った。凄まじい迫力に圧倒された。指揮のアクセルロッドはナントのラ・フォル・ジュルネでブラームスの交響曲を聴いて感動した。この二人の演奏なら、きっと素晴らしいだろうと思ったのだった。

「カルメン」組曲は、まずは小手調べ。メリハリの利いた切れの良い演奏。ダルバのヴァイオリンが加わった「詩曲」と「ツィガーヌ」は、悪くはないし、技巧は見事。不思議な色気と味わいもある。だが、イザイのCDの鬼気迫る演奏とはまったく雰囲気が異なる。むしろ優しめで優雅な演奏だった。不思議に思っていたが、休憩時間に知人の音楽評論家に、ダルバは指を怪我したらしいという情報を聞いて納得。それにしても残念。CDのような迫力のダルバを聴きたかった。ダルバはイザイのソナタの5番をアンコールで弾いた。これも、CDに比べると、むしろしみじみとした演奏に聞こえる。NHKホールはこのような曲を聴くには大きすぎる。しかも、指の怪我のせいで、音が届かない。

 後半のサン・サーンスは見事な演奏。スケールが大きく、メリハリがきいている。この交響曲はオルガンが加わるが、オルガンの調べがかなり宗教的に聞こえる。しかも、いかにもサン・サーンスらしくかなり派手。派手な中に不思議な宗教性があって、実におもしろかった。第二楽章後半は、めくるめく音の世界になった。曼荼羅の世界を思いうかべた。

 アクセルロッドという指揮者、とてもおもしろい。第一楽章後半で少しだらけている気がしたが、それ以外は、がっちりと組み立て、観客を興奮させていく。サン・サーンスの世界を堪能。改めて、実の良い曲だと思った。

 アンコールはファリャの「恋は魔術師」から。オーケストラの機能を爆発させて見事。

 ダルバについては少し残念だったが、ともあれ、アクセルロッドはすばらしかった。満足。

 本日、春学期の授業がすべて終了。夏休みに入る。

 

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