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ライマン作曲のオペラ「メデア」日本初演はおもしろかった

 11月9日、日生劇場で二期会+読売日本交響楽団によるアリベルト・ライマン作曲のオペラ「メデア」の日本初演を見た。

 私は現代音楽にまったく詳しくないので、専門的なことは何も言えない。音楽的にどのような特徴があるのかも、よくわからない。そんなわけで、情けないことに、まったくもってド素人の感想しか言えないのだが、なにはともあれ、とてもおもしろかった。幕が上がる前、難解すぎて退屈になるのではないかと少々心配だったが、十分に楽しめた。

 これまた、あまりに素人っぽい感想だが、この複雑極まりない大オーケストラ(ピットに入りきらずに、舞台上でも管楽器の楽団員が演奏している!)の音楽を実に精緻に、そしてダイナミックに演奏した読売日本交響楽団と指揮の下野竜也は凄いと思った。そして、この音程の取りにくい、歌と言えないような歌を暗譜して正確に歌う歌手たちにも驚嘆した。いや、単に正確というのではなく、しっかりと役作りができているのにも驚嘆。素人としては、ただ驚嘆することしかできない。

 歌手はみんな良かった。タイトルロールの飯田みち代さんは、メデアが舞台上にいるかのような存在感。声に迫力があるだけでなく、演技力が素晴らしい。そして、容姿も美しい。どうしても、日本人の演奏する西洋オペラは、声はともかく容姿に違和感を覚えることが多いが、今回はすべての役においてそんなことはない。度の役も見た目が美しい。とりわけ、飯田さんはあまりの美しさに驚いた。先日、この王女様と会って話をしていたのが不思議な感じがした。

 ゴラの小山由美(堂々たる歌と演技)、イヤソンの宮本益光(うまいだけでなく、外見も素晴らしい)、クレオンの大間知覚(堂々たる歌と演技)、クレオサの林美智子(清楚な美しさが声と演技と容姿に現れていた!)、使者の彌勒忠史(音程が正確な見事なカウンターテナー)、すべてが世界レベルといってよいだろう。休憩後の第三場のメデアが子どもを殺す前後の音楽は圧倒的だった。

 台本は、19世紀に活躍したグリルパルチャーによる。もちろん、エウリピデスの悲劇がもとになっている。私にとっては、大好きだったピエル・パオロ・パゾリーニの映画「王女メディア」でなじみの物語。演出もおもしろかった。メデアの内面を表現する6人の仮面をつけた女性たちの踊りも実に見事。

 それにしても、無調のオペラは「ヴォツェック」「ルル」「軍人たち」など、どれもこれもなぜこうも血なまぐさいのか。神の存在する調和した世界が崩壊した状況を描くがゆえにこのようになるのだろうが、もう少し違うタイプの無調のオペラを見たい気がする。

 カーテンコールでは、作曲者のライマン本人が登場。満足げな様子だった。このレベルの演奏がなされれば、作曲家ももちろん満足だろうと思う。

 ところで、今日は、夕方まで大学で授業があったので、そのまま大慌てで車で日生劇場に行ったのだった。私はふだん郊外ばかりを運転し、首都高速や都心の運転に慣れていないので、到着するまでにかなり疲れた。広い道路の右側に日生劇場を確認したが、なかなか駐車場にたどり着けなかった。都心には車で行かないほうがよいと改めて思った。

 ・・と、今日は本当に素人っぽい感想ばかり書いて終わりにする。

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