ネゼ=セガン指揮、ロッテルダム・フィルの不思議なブラームス
1月31日、サントリーホールで、ヤニック・ネゼ=セガン指揮、ロッテルダム・フィルの講演を聞いた。前半はシューマンの「ゲノフェーファ」序曲と、庄司紗矢香が加わってのプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番。後半はブラームスの交響曲第4番。
今日もまた猛烈に忙しいので、ごく簡単に感想を書く。
ネゼ=セガンは、昨年、ザルツブルク音楽祭で「ドン・ジョヴァンニ」を聞いて圧倒された。その後、あれこれCDを聞いてみた。フランクやサンサーンスなど、実にすばらしかった。私が若手の中で最も聞くのを楽しみにしていた指揮者だ。そんなわけで、大変楽しみにして出かけたのだった。
「ゲノフェーファ」については、私は曲自体がかなり苦手。シューマンのこの種の曲は、どうもわからない。構成が曖昧で、聞いていて気持ちが悪くなる。プロコフィエフについては、ちょっと真面目すぎると思った。もっとモダニスム風にハチャメチャにやるか、ユーモラスにやってほしいと、私は思っている。庄司さんに対しても、それほど圧倒的な力を感じなかった。ちょっと違和感を持ちつつ、後半のブラームスに期待した。
ところが、ブラームスはもっと異質だった。
ドイツ音楽とは思えない。ブラームスらしからぬアクセントが付き、不思議なうねりがある。伸縮自在のブラームスといった感じ。まるでフランクの曲を聴いている感じになる。しばしばネゼ=セガンはオケを煽る。盛り上がり、白熱し、音がぴしゃりと決まる。とてもよいオケだと思う。ふくよかな良い音を出している。
しかし、まったくブラームス的ではない。そういえば、昔、ミュンシュの指揮するブラームスのレコードでこのような雰囲気を感じたことがあった。不思議な感覚から抜けきらないまま、曲が終わった。アンコールはブラームスのセレナードから。これも。ブラームスとは思えない。
今回は、私はちょっとがっかり。次には、この人の指揮する別の曲を聴きたい。
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