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森美代子+松尾俊介デュオ、素晴らしい演奏

 2月3日、永山ベルブホールで多摩大学樋口ゼミ主催の森美代子+松尾俊介デュオを開いた。これまで何度かこのブログにも案内を出したが、森さんは、若手ソプラノを代表する歌手、松尾さんは若手のギタリストとして注目を浴びている人。ギター伴奏によるソプラノという趣向。

昨年、ピアノのない場所で森さんに演奏してもらうために無理やりギター伴奏という方法を考えて松尾さんにお願いしたのだったが、実際に演奏を聞いてみると、実にぴったり。お二人の息も合っていた。そんなわけで、今年も再びお二人に演奏をお願いしたのだった。

 またも、森さんのチャーミングでありながらも、迫力ある声に圧倒された。のっけから、グノーの「ロメオとジュリエット」のコロラトゥーラのアリア。ドリーブの「カディスの娘たち」もみごと。武満徹の「翼」と「小さな空」も実にチャーミング。森さんは、オペラだけでなく、このような日本の歌も輪郭を明確にして、くっきりと歌いだす。情緒に流れず、一つ一つの言葉を明確に発声する。素晴らしい声の力だと思う。

そして、私が最も素晴らしいと思ったのは、アレクサンドル・アリャビエフの「夜鳴きうぐいす」だった。声の威力が増し、鳥の鳴き声を模すソプラノが実に美しい。

 松尾さんのギターも素晴らしかった。「禁じられた遊び」は、私が中学生だった頃からギターの定番として何度となく聞いてきた曲だったが、松尾さんのギターを聞いて、改めて、こんなに表情豊かで深みのある曲だったことを再認識。そして、そのあとに演奏されたローラン・ディアスの「タンゴ・アン・スカイ」がまさしく絶品。繊細であり、内面的にドラマティック。決して表面的にならず、深く内面に根ざした音を出す。超絶技巧の曲を演奏しても、どこか気高く繊細。

 私自身のゼミによる企画だが、本当に素晴らしいコンサートだと思った。ただ、これほどに素晴らしい演奏なのに、私たちの力不足というべきか、余り客を集められなかった。日曜日の夜、永山というベッドタウンで演奏会を開くのは、無謀だったと思い知った。しかも、定期試験があり、その後すぐに休みに入ったため、ゼミ生が集まれる機会が少なく、きちんと打ち合わせができなかった。そのために不手際が目立ってしまった。

 素晴らしい演奏をしてくれたお二人に本当に申し訳ない。が、私としては、このような素晴らしい演奏を機会を与えることができたのは何よりもうれしい。

 私は、多摩地区の人が気軽に出かけて、近所のホールですばらしい演奏を聴けるような環境を作りたい。駅近くの公民館で、週末の夜にあちこちで高レベルのクラシック音楽のコンサートが行われる・・・というような状況を作りたい。

そのために私たちはゼミ活動をしているのだが、やはり多くの客を集めるのは難しい。反省点が多い・・・

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